「映画批評のリテラシー」は、批評の読み方と批評の書き方の本である。

映画論における重要な映画本20冊の紹介、歴史に名だたる映画批評家たちの紹介のあと、映画批評の着想法が様々な論者によって紹介されている。

ネット上には映画レビューが氾濫している。その多くが理論的なバックグラウンドを持たない感想文である。感想文や印象批評から抜け出したいと考えているレビュワーやきちんと映画を学んでこなかった映画ライターにとって、さらに研鑽を積むための方向性が提示されているガイドブックである。

また、どういう視点で映画を見るかというポイントが複数提示されているので、一般の映画ファンにとっても映画を見る視点が深まるという点で役立つだろう。

最重要映画本20として紹介されているのは、
  • 複製技術時代の芸術(ヴァルター・ベンヤミン)
  • エイゼンシュテイン解読(セルゲイ・エイゼンシュテイン)
  • カリガリからヒットラーまで(ジークフリート・クラカウアー)
  • 映画とは何か(アンドレ・バザン)
  • 映画のシュルレアリスム(アド・キルー)
  • 映画記号学の諸問題(クリスチャン・メッツ)
  • 戦争と映画(ポール・ヴィリリオ)
  • スペクタクルの社会(ギー・ドゥボール)
  • ロラン・バルト映画論集(ロラン・バルト)
  • シネマ(ジル・ドゥルーズ)
  • 不屈の精神(セルジュ・ダネー)
  • ゴダール全評論・全発言(ジャン=リュック・ゴダール)
  • メディア・セックス(ウィルソン・ブライアン・キイ)
  • フェミニスト映画−性幻想と映像表現(E・A・カプラン)
  • 歪形するフレーム(パスカル・ボニゼール)
  • ヒッチコックによるラカン(スラヴォイ・ジジェク)
  • ポストモダニズムと消費社会(フレドリック・ジェイムソン)
  • シュミラークルとシュミレーション(ジャン・ボードリヤール)
  • グラモフォン・フィルム・タイプライター(フリードリヒ・キットラー)
  • アンデスで先住民の映画を撮る(ホルヘ・サンヒネス他)

 映画批評のリテラシー―必読本の読み方/批評の書き方 (Cine Lesson)
映画批評のリテラシー―必読本の読み方/批評の書き方 (Cine Lesson)
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