9月30日、午後6時半から東京・九段のイタリア文化会館でダンス・パフォーマンス「イ・ビスラッキ〜奇妙なる色たち」が開かれた。イタリアの名匠、フェデリコ・フェリーニに敬意を表した舞台。ニーノ・ロータの音楽に乗せてアルテミス・ダンスカンパニーが踊りを繰り広げた。演出はモニカ・カサディ。

公演は前半後半に分かれ、前半は「奇妙な日々」と題し、フェリーニの「道」や「8 1/2」などの音楽に乗せてダンサーが踊る。「白黒で夢を描くのはばかげている。色彩は夢の言葉を補うものであるし、思想や概念を伝えるものだ」とフェリーニがある新聞で書いたとおり、フェリーニが愛した色彩を舞台で使用した。

後半は映画「長き旅路」の上映。フェリーニの残した絵コンテで構成した映画で、脚本はトニーノ・グエッラが書いている。ナレーション部分を女優の夏木マリが舞台上で朗読した。

フェデリコ・フェリーニとニーノ・ロータ。映画監督と音楽家の黄金コンビ。フェリーニだけでなく、巨匠には最強の映画音楽家がバッテリーになっていることが多い。それは映像作家と音楽家の個性が重なり合うからであって、単に才能のあるふたりを組み合わせたからといって、最強のコンビになるとは限らない。

「長き旅路」は長い船旅の映画。フェリーニが実際にこれを撮っていたらどんな映画になったのだろう。

(2009年9月30日午後6時30分、イタリア文化会館ホール)