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(c) Film It Sp. z o.o., SPI International Polska Sp. z o.o. 2009

ヴォイテク・スマルゾフスキ監督のポーランド映画「ダーク・ハウス/黒い家」は事件を捜査する現在時制と、その事件が起きた過去時制をリンクさせながら複雑な人間関係をあぶり出す。2009年東京国際映画祭コンペティション出品作品。

妻を亡くし自暴自棄になっていた男がポーランドの片田舎にある農場に立ち寄り、一夜を過ごす。その農家に住む夫婦と意気投合するが、その夜に悲劇が起こる。4年後、警察の捜査班がその事件の謎を解決しようとする。

映画はこのふたつの時間の流れを交互にリンクさせながら進行する。男たちはウォッカを飲みながら、大もうけをする事業話にのめり込む。全編がウォッカで酔ってしまったかのようなタッチで展開していく不思議な感覚の映画だ。ポーランドのわびしい風景が郷愁をそそる。

ふたつの時制を交互に描いていく手法はユニークだが、それが見事に決まっているかといえば、若干の疑問も残る。淡々とした展開ゆえに観客には集中力と忍耐力が必要だ。ただ、戒厳令下のポーランドという空間における空気を描き出すことには十分に成功している。(了)

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