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叙事的であり、叙情的であるという典型的なアメリカ製ディザスタームービーなのだが、ローランド・エメリッヒ監督の『2012』は、いつものような一本調子ではなく、映画の時間内に見せ場をきっちり配置するという明快な構成となっている。

地割れ、噴火、津波、地震、ビルの倒壊。こうした中を主人公の乗った自動車や飛行機がすり抜けていく。実に荒唐無稽でご都合主義なのだが、飛んでくる溶岩や吹き飛ばされてくる自動車の動きが実にタイミングがいい。分かっていてもつい手に汗を握ってしまう。

世界の崩壊を描いているのにも係らず、アメリカの崩壊しか描いていないというのはアメリカ映画によくありがちだが、今回はアメリカ合衆国大統領が一人で頑張るのではなく、一応、G8諸国の了承を得て行動することになっている。日本人も一応、人類の中に入れてくれているみたいだ。

前半で壮大な地球全滅地獄絵図を描きながら、後半はストーリー展開上、どうしても主人公とその家族の脱出劇という風に矮小化してしまうのは、仕方の無いことなのだろうか。

一難去ってまた一難というしつこい展開。金のあるもの、能力のあるものという選ばれし者だけが、現代版ノアの箱舟に乗れるという地獄の沙汰も金次第という資本主義万歳的な対立軸を設定し、それに対して、人間はすべて平等だという主人公側の理論が最終的に打ち勝つという教科書的な流れ。極めてアメリカ的で典型的なディザスター映画になっている。死んで欲しくないキャラクターをきちんと殺すことによって、涙腺を刺激する仕掛け。その典型的なできばえに思わず拍手したくなる。

(2009年12月2日午後3時50分、新宿ミラノ1)


2012 オリジナル・サウンドトラック2012 オリジナル・サウンドトラック
アーティスト:サントラ
販売元:SMJ
発売日:2009-11-25
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