
大画面に映し出される映像を見て、海の中を泳いでいるような気分に浸りたかったり、ただぼーっと映像を眺めていたかったり、どこかの店で環境ビデオのように流しておいたり。そんな見方をするのがいいだろう。
ジャック・ペランとジャック・クルーゾー監督の『オーシャンズ』はドキュメンタリー映画と呼べるようなものではなく、どちらかと言えば見せ物である。
光る海の中の気泡。魚たちの大群。見ていていかにも壮快だ。だから、巨大なスクリーンを使用して、臨場感を楽しむのが正しい。全編をそれで押し通すべきであり、環境保護や種の保存には言及しないほうが映画としては正しい。
だが、ところどころ、人間が海の哺乳類を捕獲するシーンが挿入されたりして、わずかながら自己主張をしようとしている。主張をしたいなら、正面からぶつかればいいものを、きれいな画面にちょっとだけ自己主張を紛れ込ませるという姑息な編集なのだ。そして、その部分が全体の雰囲気を壊しており、テンションが一気に下がる。
きれいな映像を見せたいのか、それとも環境保護を訴えたいのか。素材はいいのだから、どっちつかずの内容になってしまっているのが惜しまれる。
(2010年2月7日午前11時50分、新宿ミラノ2)2010-18