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あるバールの常連として認められて、記念写真に写りたい。そんな若者を主人公にして、バールに集う人々の人間模様を描く。プーピ・アヴァーティ監督の『バール・マルゲリータに集う仲間たち』は、グランドホテル形式の手垢のついた構造のドラマになりがちなところを、いかにもイタリアらしい題材を織り込むことでほのぼのとした作品として成立させている。

サンレモ音楽祭に出場することを夢見る男。女好きの男。親分肌の男。色々なバールの常連たちが織りなす人間模様。そんなコミュニティに入れてもらいたいという若者。

1年に1回のバールの常連たちの記念写真。この映画はそんな小さなコミュニティの1年を描いた小さなお話である。

(2010年4月29日午前10時20分、イタリア映画祭、有楽町朝日ホール)2010-53