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物理学オタクの青年が魔法使いとして成長するまでのビルドゥングスロマン。ジョン・タートルトーブ監督の『魔法使いの弟子』は、冴えない青年の大掛かりな成長物語である。
太古の昔の魔法使いたちの戦いが現代によみがえる。過去からの経緯を手際よく描いたオープニングは秀逸だ。太古、10年前、現代、とステップを踏んで、因縁の戦いの継続を描く。
魔法使いの師であるバルサザール(ニコラス・ケイジ)と物理を学ぶ大学生デイブ(ジェイ・バルチェル)のアンバランスなコンビが、時空を超えた戦いというテーマにありがちな堅苦しい緊張感を解く。
魔法使いものだけあって、CGが全面的に使用されているが、CGを見せるためだけのCGではなく、視覚効果上の理由付けがあってのCGなのがよい。表層的な表現にとどまらず、物語をきちんと語ろうとする演出は観る者に安心感を与える。
デイブが子どもの頃からあこがれの存在だった女子大生ベッキー(テリーサ・パーマー)との恋愛話をからめてくるのもストーリーに魅力を添えている。
そして、時空を超えた戦いの裏にも、実は男女をめぐるエピソードが隠されている。最終的にはすべてがラブストーリーに帰着するとでもいいたげな構成には思わず微笑ましさを感じてしまうことだろう。
悪は滅び、オタク青年はたくましく成長し、あこがれの女性の心を捉えることもできた。師匠も望みを叶えることができ、世界に平和が訪れる。テリーサ・パーマーは魅力的だし、モニカ・ベルッチも相変らず美しい。なんと周到に計算されたカタルシスなのだろう。
(2010年8月18日午後6時50分、新宿ミラノ1)2010-119
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出演:ニコラス・ケイジ
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社(2011-01-19)
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