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ハナ・マフマルバフ監督の『子供の情景』は、子供の行動を通じて大人の愚かさを描く。

アフガン人の6歳の少女バクタイは学校に通うために悪戦苦闘する。ノートを買うために卵を市場で売ったり、卵をパンに取り替えてもらったり。鉛筆は買えなかったが、なんとかしてノートを買うことのできた彼女はようやく学校へ向かう。

最初にたどり着いた学校は男専用だとして、追い出されてしまう。女生徒専用の学校へ向うバクタイだが、途中で少年達に取り囲まれてしまう。少年たちは、彼女の持っていたノートを奪い取り、紙飛行機にして飛ばしてしまう。自分たちが目撃してきた戦争ごっこで彼女を怖がらせる。

子供たちの行動は大人たちの行動そのままだ。学ぼうとする女の子が学校に行こうとするのを妨害する。戦争ごっこをする彼らから逃れるためには死んだふりをするしか無いのだ。

(2010年10月1日午後6時、ワーナーマイカルシネマズみなとみらい8、難民映画祭)2010-140