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現代社会の縮図なのか。それともおかしい奴らの集まりなのか。

大森一樹監督の『世界のどこにでもある、場所』は、心に病を抱えた患者と医師が「開放治療」を行っている遊園地と動物園に、詐欺容疑で指名手配中の男が迷い込む場面から始まる群像劇だ。

息子が通り魔殺人犯の母親、学級崩壊でノイローゼになった教師。それぞれは一癖も二癖もある登場人物が動物園を徘徊する。それはまるで放し飼いになっている動物園の動物のようでもある。

映画というよりも、小劇場の芝居向きの内容だろう。実際の遊園地と動物園でロケ撮影を行った本作よりも、舞台を動物園に見立てて多数の舞台役者が登場する舞台劇として成立させたほうが面白そうだと思いながら見た。

舞台ではなく、映画というメディアを選択したことにもどかしさを感じてしまう。もっとも、映画化される前に舞台化されているのだが、舞台の内容を映画というフォーマットにうまく変換しきれていないのではないだろうか。

意欲的な作品ではあるのだか、その点で損をしている。

(2011年1月25日午後1時、シネマート六本木試写室)2011-6