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(パブリックシステムシネマ代表取締役会長リオネル・シュシャン)


フランスで映画祭などの国際文化イベントを通じていくつもの町興しを成功させてきたパブリックシステムシネマ代表取締役会長のリオネル・シュシャン。アメリカ映画祭で復活したフランスのリゾート地ドーヴィルやファンタスティック映画祭で持ちこたえたスキー場があるスイス国境のアボリアズも彼の業績のひとつだ。欧州における映画祭プロデュースの第一人者といえる。

日本でも、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭や東京国際ファンタスティック映画祭を手掛けたこともあるシュシャン氏。彼は、地域映画祭を開催するとどのような効果があると見ているのだろうか。

「町に経済的な刺激を与えることができるだけでなく、コミュニティーに帰属しているという誇りの創出や住民の連帯感を醸成することができます。映画は観光などへの間接的な波及効果も大きいのです」

だが、映画祭は単独で収支の均衡を保つことは難しい。そこで、映画祭を開催するためには、それを支えるスポンサーが必要不可欠だ。それでは、映画祭の主催者とスポンサー企業とはどのような関係にあるべきなのか。

「映画祭そのものでお金が儲かるわけではありません。そこでスポンサーを探さなければなりませんが、スポンサーと映画祭主催者の両方にメリットがある必要があります。スポンサーに対しては自分の出したお金がどこで回収できるかを示さなければなりません。ポスターに名前が載るだけでは不十分なのです」

シュシャン氏は映画祭におけるマーケティングの必要性を強調している。


(2008年10月20日、経済産業省と特定非営利活動法人映像産業振興機構による日仏協力セミナー「欧州映画市場の最近の情勢と政策」におけるリオネル・シュシャン氏による講演「国際映画祭を巡る情勢と課題について」より)