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主催者の文園太郎さん(左)と大学の後輩でスタッフの屋久大樹さん(右)(11月13日) 


第3回学生残酷映画祭が12月11日に東京・阿佐ヶ谷の阿佐ヶ谷ロフトAで開催される。この映画祭は、大学、専門学校生の作品を募集し、上映するという自 主制作映画祭の1つだが、募集作品はすべて流血や人体破損などの残酷描写があるということが条件。日本には学生映画を主体にした映画祭は数々あるが、残酷 表現のある映画に特化した唯一の学生映画祭だ。

映画祭運営の舞台裏についてキーパーソンに話を聞く「映画祭の愉しみ」。第2回までの代表を務めた佐藤雄二さんと今年の第3回映画祭実行委員会代表の文園太郎さんに話を伺った。

――映画祭を始めたきっかけについて教えてください。なぜこの映画祭を始めようと思ったのでしょうか。
佐「一番は残酷映画が正しく評価される場所を作りたいと考えたからです。自分自身ホラーが大好きで自主制作もしていたのですが、ホラーというだけで観るの も拒まれることがありました。学生映画は青春ものや恋愛ものがほとんどでジャンル映画は「どんなに真剣に向き合っても評価してもらえない」と常々思ってい ました。怒りに近かったと思います。その時、同じ様に思っている学生監督が日本中にいるんじゃないか、それならきちんと評価してもらえる場所を作ろうと考 えたのが映画祭を始めたきっかけです」
――映画祭の立ち上げ時に苦労したことにはどのようなものがありますか。
佐「実は映画祭を企画する知識がまったくなく、手探りの状態でした。まずスタッフがいない。募集しても集まらない、宣伝費や会場費等負担も大きかったです」

――その後、文園さんが映画祭の運営を引き継がれたわけですね。
文「学校で映画の勉強をしていて、色々な映画祭にも行っていました。佐藤君の友達が僕の友達だった関係で2人は知り合いました。僕たち2人しかいなかった ので、去年は2人で映画祭の運営をやったのですが、佐藤君が大学を卒業したため、僕が映画祭の運営を引き継ぐ形になりました」

――どのような観客、出品者を想定していますか。
佐「観客はホラー好きの学生、かつて学生映画を撮っていた方々ですかね。出品者は本気で残酷映画と向き合う人です。これは他の学生映画祭でも言えることで すが、観客としてきた方が作品を見て嫉妬したり、「俺ならこうする」と考え、次回に今度は出品者として参加出来ると言うのはイベント自体を盛り上げてくれ ていると思います」

文「実は去年は、飛び抜けてすごい作品がなく、来年への期待を込めるという意味でもグランプリを授賞する作品はありませんでした。へたくそでも情熱のある 突き抜けた作品に出会いたいですね。他の映画祭では上映できないような作品も上映しますし、そういうヤバイ映画がいっぱい来て欲しいです」

――映画祭を継続していくことをどのように捉えていますか。
佐「今、日本にスプラッターやホラーに特化した学生映画祭というのは1つしかないのです。これからも継続していくことは日本のホラー映画の未来のためにも重要だと考えています」

文「長く続けていくというのが大事だと思います。その映画祭のために作るという人が出てきてくれるといいですね。この映画祭で賞を取って、作り手が有名になるということも期待しています」

――映画祭のスタッフはどのような人々で構成されていますか。
佐「学生が中心となっていますが、今までの学生映画祭参加者の方にもサポートしてもらっています。基本的に前回までは1〜2人程度という少人数で行っていましたが、今後はきちんとした体制を作れればいいかなと思っています」

――スタッフが少ないということですが、準備や当日の運営は大変ではないですか。
文「当日手伝ってくれた人もいますし、1日だけなので、そんなに大変ではありません。後はゲストの方に協力していただいていて、そのおかげでできているという部分が大きいです」

――映画祭を運営するに当たって資金ではどのぐらい必要ですか。
佐「会場費、宣伝費等かかりますが、節約しようと思えば数万円で開催できると思います。第1回目は5万円程度だったと思います」

――映画祭の始めるにはどのような手順を踏んだのでしょうか。
文「難しく考えない方がいいと思います。僕はもともと音楽のライブの企画をやっていました。それと同じスタンスです。映画祭の場合、準備期間はかかりますが、場所を押さえて、告知をして、その後にゲストを決めるという流れは共通です」

「この映画祭の場合、日時が未定の段階でホームページを立ち上げ、まず映画祭をやるという宣言をしました。そこから身近な人にお願いしてゲストの方に声をお掛けしたりしました。色々な方々に協力していただけることが学生の強みだと思います」

「何から始めるかというよりも、まずコンセプトをはっきりさせるということが大事だと思います。例えば、残酷表現がある映画に限るとか、なるべく広すぎな いようにして作品を集めるというコンセプトを考えるのが大事です。差別化を図り、一般に見ることのできない作品を見ることができるような場所を設けるのが 大事だと思っています」

「今は映画をネットでいくらでも発信できますが、それでは、そうした映画を人々が見るかと言えば、よっぽど有名人の作品でない限りまず見ないはずです。だったらきちんと映画を見せる場所を作らないとダメだと思いました」

――映画祭を運営するモチベーションは何でしょうか。
文「やっていて楽しいということがまずあります。楽しく無ければできません。そしてきちんと映画を見せる場所を作るのが重要だと思うからです。こうした映 画を見たいというお客さんがたくさんいるということが分かったので、そういう人たちのためにも続けていかなければならないと思っています」

――映画祭を通じて伝えたいことは何でしょうか。
佐「僕らは心から残酷表現を愛している。これにつきます。僕らの本気を見ていただきたいです」

――今年の映画祭のアピールポイントはどんなところでしょうか。
佐「第3回目となる今回は新体制で運営されています。ゲストも新しい顔ぶれが加わりました。そして去年のグランプリなしを覆す作品は現れるのかに注目してほしいですね」

学生残酷映画祭の詳細は以下のサイトで。
http://szff.web.fc2.com/