Still Photo_Bobo Frituras

 いかにもスペインらしい作品。だが、スペインらしいって何だろう。カラッとしていることだろうか。そうだとすれば、フェリペ・ゴメス・ウリャテ監督の『ボボ・フリッター』は名実ともにスペインらしい一篇である。

 叔父の経営するファストフードレストランでこき使われている料理の下手な主人公ボルハが、事故で顔を油のなかに突っ込んでしまい、 顔を大やけどして、ただれてしまう。それをきっかけに、日頃の不満を爆発させて暴れ回るという単純明快な展開である。とにかく乗りを楽しむことしかない。並ならぬパワーを感じる14分の短編だ。


(2014年2月28日午後2時、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭、ホワイトロック)(矢澤利弘)