フリーキッチンチラシ変更用

 中村研太郎監督の『フリーキッチン』はカニバリズムをテーマにした作品である。母親は人肉を料理して親子でそれを食べる。息子はごく日常的に肉料理を食べ続ける。そこには派手で大袈裟な演出は何もない。ルーチンワークのように料理の材料となる人間を確保していく母親。子離れできない歪んだ母親像は典型的でありきたりにも思えるが、息子がペットショップの女子店員とつき合い始めるあたりから、ぐいぐいと映画に引っ張られていく。ブラックコメディとシリアスなホラーが程よい比率で混在したバランス感がいい。

 原作は福満しげゆきの短編漫画『娘味』。中村監督が、かつて8ミリで撮ったものを自らがリメイクした。息子役の森田桐矢もガールフレンド役の大貫真代もいい味を出している。母親役の延増静美も存在感たっぷりだ。

 かつて撮った映画の企画をやり直そうと思ったのが4年ほど前、昨年4月に一週間で撮影した。 


(2014年3月1日午後4時、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭、ホワイトロック)(矢澤利弘)