Trouble Traveller main still

 ベ・テス監督の『トラブル・トラベラ』は鳥取のあるホテルを舞台にしたセリフのないコメディ映画である。一話数分の作品を組み合わせて構成されている。

 舞台は一貫しているが、それぞれのストーリーに一貫性はないので、バラバラの短編をまとめて何本か見るような印象だ。

 ベ監督は「なるべく多くの人々に見てもらいたいという気持ちで作った」と語っている。セリフ無しというのはそういう発想から来ているのかもしれない。

 ホテルが舞台の映画だが、これは、貸し切りでホテルを使うことができるという条件が先にあり、そこから企画が作られたものだそうで、ホテルの映画を作ろうとして、ホテルを探したわけではないらしい。

 「自分の住んでいるところが世界の中心だと思っている」というベ監督。次の映画も鳥取県を舞台にしたスパイ映画を撮りたいと意気込む。


(2014年3月1日午後4時、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭、ホワイトロック)(矢澤利弘)