boushibako

軽やかなタッチに思わず微笑んでしまう。ボリス・バルネット監督の『帽子箱を持った少女』は、宝くじをめぐる騒動をコミカルに描く。

帽子を作って生計を立てているナターシャは、帽子を納品する途中で知り合った貧しい学生イリヤに住む部屋を工面してあげるために彼と偽装結婚する。小柄のナターシャが帽子箱を持って歩く姿は、なんとなくアンバランスで、それを見ているだけでも十分にコミカルである。

宝くじを奨励するプロパガンダ映画という触れ込みで大蔵省から製作資金を引き出したそうだが、実際に仕上がった映画は大金によっておかしな行動に走ってしまう人々を描いており、逆に当時の経済政策に対する風刺になっているのがさすが。

後に渡米して『女優ナナ』の主役ナナを演じたアンナ・ステンがナターシャをチャーミングに演じている。


(2014年3月16日午後2時、広島市映像文化ライブラリー、柳下美恵ピアノ生伴奏付き上映)(矢澤利弘)