
ナルシシストとつきあっていくのは大変だ。自分が一番だと思っているから、相手のことを気にかける余裕もない。もし、ナルシシスト同士が夫婦だったら、彼らの子供は親からかまってもらえるのだろうか。アーシア・アルジェント監督の『わかってもらえない』は、有名俳優の父とピアニストの母を持つ三人姉妹の次女アリアの日常を綴る。
物語らしい物語はない。喧嘩の絶えない夫婦がついに崩壊し、離婚にいたる。長女は父、三女は母に付くが、アリアはどちらに引き取られるわけでもなく、父親と母親のところを行ったり来たりしている。
自分のことを考えるのに夢中になっている親たちは、アリアのことなど考える余裕はない。自分のことで精一杯だ。アリアは自分の存在を分かってもらいたくて欲求不満が募る。映画は、そうした彼女の苛立つ心の動きを、数々のエピソードをつなぎながら生き生きと描いていく。
俳優の父とピアニストの母の間に生まれた次女が主人公ということで、どうしても映画監督の父ダリオ・アルジェントと女優の母ダリア・ニコロディの間に生まれたアーシア・アルジェントの自伝的物語かと思わせずにはいられない。アーシアは自伝ではないと否定するが、作品の端々から自伝的雰囲気が漂ってくることは確かだ。母親を演じるシャルロット・ゲンズブールを見ていると、どうしてもダリア・ニコロディの姿とダブって見えてしまう。アーシアのプライベートフィルム色が濃厚な作品だといえよう。
撮影監督のニコラ・ペコリーニは、ステディカムのオペレーターとして活躍してきた人物で、ダリオ・アルジェント作品にも多く参加してきた。そんなスタッフに囲まれながら、どこを取っても全体がアーシア・アルジェントしか撮れない映画になっている。
(2014年10月28日午後12時、東宝シネマズ六本木ヒルズスクルーン7、東京国際映画祭)(矢澤利弘)
物語らしい物語はない。喧嘩の絶えない夫婦がついに崩壊し、離婚にいたる。長女は父、三女は母に付くが、アリアはどちらに引き取られるわけでもなく、父親と母親のところを行ったり来たりしている。
自分のことを考えるのに夢中になっている親たちは、アリアのことなど考える余裕はない。自分のことで精一杯だ。アリアは自分の存在を分かってもらいたくて欲求不満が募る。映画は、そうした彼女の苛立つ心の動きを、数々のエピソードをつなぎながら生き生きと描いていく。
俳優の父とピアニストの母の間に生まれた次女が主人公ということで、どうしても映画監督の父ダリオ・アルジェントと女優の母ダリア・ニコロディの間に生まれたアーシア・アルジェントの自伝的物語かと思わせずにはいられない。アーシアは自伝ではないと否定するが、作品の端々から自伝的雰囲気が漂ってくることは確かだ。母親を演じるシャルロット・ゲンズブールを見ていると、どうしてもダリア・ニコロディの姿とダブって見えてしまう。アーシアのプライベートフィルム色が濃厚な作品だといえよう。
撮影監督のニコラ・ペコリーニは、ステディカムのオペレーターとして活躍してきた人物で、ダリオ・アルジェント作品にも多く参加してきた。そんなスタッフに囲まれながら、どこを取っても全体がアーシア・アルジェントしか撮れない映画になっている。
(2014年10月28日午後12時、東宝シネマズ六本木ヒルズスクルーン7、東京国際映画祭)(矢澤利弘)
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