僕たちの大地


 マフィアはイタリアでは、今日に至るまで根強い社会問題になっている。ジュリオ・マンフレドニア監督の『僕たちの大地』は、市民による半マフィア活動を軽快なタッチで描く。バックグラウンドの異なる様々な人々が集まり、プロジェクトを成し遂げようとする群像劇である。

 この映画は、犯罪組織から押収した財産は社会的目的のために再利用に付され、公共的な活動や事業を行う団体に譲渡されて活用されるという制度を背景として作られている。半マフィア団体で働く主人公フィリッポがマフィアのボスから国が押収した農地を使って有機農業の協同組合を立ち上げ、事業展開しようとする物語だ。

 市民がマフィアからの執拗な嫌がらせに耐え、いかにして目的を達していくかということが基本的なストーリーラインであるため、マフィアとの血なまぐさい抗争のシーンなどを期待すると、肩透かしを食らうことになる。

 マフィアとの戦いを通じて、それぞれの登場人物がいかに行動していくか、この映画の視点はそこにある。

(2015年5月5日13:10、有楽町朝日ホール、イタリア映画祭)(矢澤利弘)