
ハンガリー映画の『牝狐リザ』(カーロイ・ウッイ・メーサーロシュ監督)(劇場公開時邦題:『リザとキツネと恋する死者たち』)は、日本マニアの女性の周囲で、彼女に興味を持った人々が次々と怪死していくという事件をユーモラスに描いたブラックコメディである。ぶっ飛んだ発想が突き抜けている。
アラサーとなるリザは、12年間にわたってハンガリーの日本大使の未亡人の世話をしていた。彼女は日本文学のファンで、かつて一世風靡した歌手のトミー谷にも憧れていた。リザの周りに出没する幽霊のトミー谷はリザには見えるが、他の人間には見ることができない。
30歳の誕生日、外出したリザが帰ってくると夫人は謎の死を遂げていた。その後も彼女の周囲では謎の死が相次ぎ、不審に感じた刑事ゾルタンは下宿人を装い、部屋に忍び込む。
この作品の完成までには8年を要した。資金繰りに5年かかり、3年間で映画を作ったという。300から400カ所の特殊効果が使われており、時間がかかった。
ハンガリー映画なのに日本語が飛び交うという日本人には別の意味で楽しめる作品に仕上がっている。メーサーロシュ監督は日本が好きで、過去に5回は来日している。2006年に那須国際短編映画祭に参加したとき、この映画のベースとなる童話を聞いた。それにハンガリーの不条理演劇を組み合わせた。
もともと、国際共同製作を目指しており、日本に限らず、各国のエピソードを取り混ぜて企画していたが、たまたまスポンサーが日本のエピソードを気に入ったため、このような形の映画になったという。
写真:(c)Peter Szatmari
(2015年7月25日午前10時30分、SKIPシティ映像ホール、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015)
(矢澤利弘)
アラサーとなるリザは、12年間にわたってハンガリーの日本大使の未亡人の世話をしていた。彼女は日本文学のファンで、かつて一世風靡した歌手のトミー谷にも憧れていた。リザの周りに出没する幽霊のトミー谷はリザには見えるが、他の人間には見ることができない。
30歳の誕生日、外出したリザが帰ってくると夫人は謎の死を遂げていた。その後も彼女の周囲では謎の死が相次ぎ、不審に感じた刑事ゾルタンは下宿人を装い、部屋に忍び込む。
この作品の完成までには8年を要した。資金繰りに5年かかり、3年間で映画を作ったという。300から400カ所の特殊効果が使われており、時間がかかった。
ハンガリー映画なのに日本語が飛び交うという日本人には別の意味で楽しめる作品に仕上がっている。メーサーロシュ監督は日本が好きで、過去に5回は来日している。2006年に那須国際短編映画祭に参加したとき、この映画のベースとなる童話を聞いた。それにハンガリーの不条理演劇を組み合わせた。
もともと、国際共同製作を目指しており、日本に限らず、各国のエピソードを取り混ぜて企画していたが、たまたまスポンサーが日本のエピソードを気に入ったため、このような形の映画になったという。
写真:(c)Peter Szatmari
(2015年7月25日午前10時30分、SKIPシティ映像ホール、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015)
(矢澤利弘)