
7月18日から26日まで埼玉県川口市で開催されたSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015の短編部門では、134本の応募のなかから一次審査を経た12本が上映された。最優秀作品賞には藪下雷太監督の『わたしはアーティスト』、奨励賞には甲斐さやか監督の『オンディーヌの呪い』と湯浅典子監督の『空っぽの渦』が選ばれた。

(c)Daishi Kato
加藤大志監督の『きらわないでよ』は、吃音症が原因でいじめられている少年と、彼を気にかけている同級生の少女との関係を描く。少年の家を訪れた少女は、親の目を盗んで彼にキスしようとするが、ふとしたはずみで彼女は怪我をしてしまう。彼女は保身のため、彼を裏切る行動をとる。これが現実というものだろう。

(c)2014 Ikuo Homma
甲斐さやか監督の『オンディーヌの呪い』はベテラン長塚京三と遠山景織子が夫婦を演じる。夫は妻の浮気を疑い、何から何まで監視しようとする。現実と幻想、生と死が交差する世界を描く。不思議な世界観を持った作品。
高名な外科医の小泉清三と妻麗子は新作能「オンディーヌ」を見にいく。能はつまらないという麗子に清三は寝ないように注意する。会場入りした清三は能楽師が結界を超えた瞬間に強烈な眠気に襲われる。その数日後、交通事故が起こる。

(c)elePHANTMoon
マキタカズオミ監督の『これからのこと』は同棲しているカップルの揺れる心を描く。小さなデザイン会社で働く葉山は彼女から妊娠したことを知らせるメールを受け取る。すぐに返事ができず、迷いが生じる彼の気持ちを繊細に活写する。ちゃんと婚姻届を出す決意を固めるラストにはホッとさせられる。

(c)2014 Honami Corporation.All Rights Reserved
隈元博樹監督の『あの残像を求めて』は、廃品回収業者で働く奈美と年配の新人である内田との短い交流を描く。内田は奈美に8ミリカメラとフィルムを譲り渡 す。撮影に夢中になる奈美だったが、内田を撮ろうとすると、なぜか内田は逃げ回るのだった。そう、内田は窃盗犯だったのだ。フィルムという媒体の郷愁をそ そる作品だ。

(c)COCOLO FILM 2015
湯浅典子監督の『空っぽの渦』は出会い系サイトのサクラのバイトを続けている少女の心もようを描く。少女は自殺の手伝いをして欲しいとのメールを受け取る。実際に自殺を目の当たりにした彼女は訳が分からなくなり走り出す。少女の抑圧された心が爆発するラストが突き刺さる。

(c)八王子日本閣
岡元雄作監督の『不旋律のソナタ』は偏屈な指揮者を通じて結婚の意味を問う。元々は結婚式場のプロモーション映画として作られた作品。

(c)「あかべこ」製作プロジェクト
高橋秀綱監督の『あかべこ』は、母の出産のため、祖父母に預けられている少女の冒険譚。彼女は誰にも相手にされな腹いせに、玄関のあかべこを持って家出する。あかべこを雪野原に投げ捨てると謎の女が現れる。ほのぼのとした小さなファンタジー映画だ。

(c)raita.yabushita
藪下雷太監督の『わたしはアーティスト』は、自撮りのビデオアートの撮影に没頭している少女の沙織はある日、撮影している姿をクラスメートの健太に見つ かってしまう。いつのまにか沙織は健太を好きになってしまい、告白しようとするが、そんなときであっても彼女はビデオカメラを持ち、自分の告白とその結果 を録画しようとするのだった。オタク女子を絵に描いたようなキャラクター設定が新鮮だった。

(c)2014『虹の麓まで』製作委員会
高岡尚司監督の『虹の麓まで』は、四国の霊場巡りのひとつである燃山寺を目指す少年と親戚の叔父さんを描く。人の優しさが染み入る作品。

石橋夕帆監督の『ぼくらのさいご』は、中学生最後の夏をを過ごす幼馴染みの男女の姿を瑞々しく描く。大人にとっては懐かしさを感じさせる一編だ。

(c)クロマリズム
平林勇監督の『Keshinomi』はいくつかの幼い命の最後を描く。雪深い集落では、障害を持つ孫と暮らす男が孫と一緒に雪の山中に出て行く。一方、ある病院では流産した妊婦が物思いにふけっている。この別々のエピソードを交互に描く。あえて救いのないところがいい。

(c)2015 相馬寿樹/「ガラスの園で月を食らう」製作委員会
相馬寿樹監督の『ガラスの園で月を食らう』は、何かから解放されることの爽快感を描く。ある日、5年3組で飼っていた金魚が行方不明になる。そこでいつもいじめられている少年がクラスメイトから疑われる。そんな中、少年は放課後の理科室でもう一人の少年と出会い、心を通わせていく。顕微鏡観察で使うプレパラートのガラスのカバーがあるきっかけで砕け散る描写は秀逸。ラストの解放感は清々しい。
(2015年7月23日、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭)(矢澤利弘)

(c)Daishi Kato
加藤大志監督の『きらわないでよ』は、吃音症が原因でいじめられている少年と、彼を気にかけている同級生の少女との関係を描く。少年の家を訪れた少女は、親の目を盗んで彼にキスしようとするが、ふとしたはずみで彼女は怪我をしてしまう。彼女は保身のため、彼を裏切る行動をとる。これが現実というものだろう。

(c)2014 Ikuo Homma
甲斐さやか監督の『オンディーヌの呪い』はベテラン長塚京三と遠山景織子が夫婦を演じる。夫は妻の浮気を疑い、何から何まで監視しようとする。現実と幻想、生と死が交差する世界を描く。不思議な世界観を持った作品。
高名な外科医の小泉清三と妻麗子は新作能「オンディーヌ」を見にいく。能はつまらないという麗子に清三は寝ないように注意する。会場入りした清三は能楽師が結界を超えた瞬間に強烈な眠気に襲われる。その数日後、交通事故が起こる。

(c)elePHANTMoon
マキタカズオミ監督の『これからのこと』は同棲しているカップルの揺れる心を描く。小さなデザイン会社で働く葉山は彼女から妊娠したことを知らせるメールを受け取る。すぐに返事ができず、迷いが生じる彼の気持ちを繊細に活写する。ちゃんと婚姻届を出す決意を固めるラストにはホッとさせられる。

(c)2014 Honami Corporation.All Rights Reserved
隈元博樹監督の『あの残像を求めて』は、廃品回収業者で働く奈美と年配の新人である内田との短い交流を描く。内田は奈美に8ミリカメラとフィルムを譲り渡 す。撮影に夢中になる奈美だったが、内田を撮ろうとすると、なぜか内田は逃げ回るのだった。そう、内田は窃盗犯だったのだ。フィルムという媒体の郷愁をそ そる作品だ。

(c)COCOLO FILM 2015
湯浅典子監督の『空っぽの渦』は出会い系サイトのサクラのバイトを続けている少女の心もようを描く。少女は自殺の手伝いをして欲しいとのメールを受け取る。実際に自殺を目の当たりにした彼女は訳が分からなくなり走り出す。少女の抑圧された心が爆発するラストが突き刺さる。

(c)八王子日本閣
岡元雄作監督の『不旋律のソナタ』は偏屈な指揮者を通じて結婚の意味を問う。元々は結婚式場のプロモーション映画として作られた作品。

(c)「あかべこ」製作プロジェクト
高橋秀綱監督の『あかべこ』は、母の出産のため、祖父母に預けられている少女の冒険譚。彼女は誰にも相手にされな腹いせに、玄関のあかべこを持って家出する。あかべこを雪野原に投げ捨てると謎の女が現れる。ほのぼのとした小さなファンタジー映画だ。

(c)raita.yabushita
藪下雷太監督の『わたしはアーティスト』は、自撮りのビデオアートの撮影に没頭している少女の沙織はある日、撮影している姿をクラスメートの健太に見つ かってしまう。いつのまにか沙織は健太を好きになってしまい、告白しようとするが、そんなときであっても彼女はビデオカメラを持ち、自分の告白とその結果 を録画しようとするのだった。オタク女子を絵に描いたようなキャラクター設定が新鮮だった。

(c)2014『虹の麓まで』製作委員会
高岡尚司監督の『虹の麓まで』は、四国の霊場巡りのひとつである燃山寺を目指す少年と親戚の叔父さんを描く。人の優しさが染み入る作品。

石橋夕帆監督の『ぼくらのさいご』は、中学生最後の夏をを過ごす幼馴染みの男女の姿を瑞々しく描く。大人にとっては懐かしさを感じさせる一編だ。

(c)クロマリズム
平林勇監督の『Keshinomi』はいくつかの幼い命の最後を描く。雪深い集落では、障害を持つ孫と暮らす男が孫と一緒に雪の山中に出て行く。一方、ある病院では流産した妊婦が物思いにふけっている。この別々のエピソードを交互に描く。あえて救いのないところがいい。

(c)2015 相馬寿樹/「ガラスの園で月を食らう」製作委員会
相馬寿樹監督の『ガラスの園で月を食らう』は、何かから解放されることの爽快感を描く。ある日、5年3組で飼っていた金魚が行方不明になる。そこでいつもいじめられている少年がクラスメイトから疑われる。そんな中、少年は放課後の理科室でもう一人の少年と出会い、心を通わせていく。顕微鏡観察で使うプレパラートのガラスのカバーがあるきっかけで砕け散る描写は秀逸。ラストの解放感は清々しい。
(2015年7月23日、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭)(矢澤利弘)