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病院の壁に絵を描いたホスピタルアート。そんなアートプロジェクトを扱った6分足らずのドキュメンタリー『A Touch of Hope』(部谷京子監督)の上映会とトークショーが8日午後6時15分から広島市の映画館、八丁座で開かれ、会場は満席となった。

病院という場所は機能的に設計されてはいるが、無味乾燥で、そこにいるだけで心が滅入ってしまうこともあるだろう。そんな病院の白い壁に絵を描き、人々の希 望を促すのがホスピタルアートだ。映画は関係者のインタビューを挿入しながらホスピタルアートの魅力と意味を描き出していく。

この映画の企画者の一人で、広島でホスピタルアートプロジェクトを手がける稲田恵子さんは、ホスピタルアートに携わって17年になる。登壇した稲田さんは 「色の持つ力を最大に発揮させる場所はハッピーな場所ではない」とし、むしろ病院のような場所でこそアートの力を発揮できると力説した。

部谷京子さんは、美術監督としては大ベテランだが、監督として演出を手掛けるのはこの作品が初めて。「映画の完成と同時に続編を作りましょうとのオファーを受けた。これは作り手として最高の言葉です」と心情を語っていた。

(2016年3月8日午後6時15分、八丁座壱)(矢澤利弘)



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(稲田恵子さん(左)と部谷京子さん(左))