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第3回グリーンイメージ国際環境映像祭で25日に上映されたエファ・シュトッツ監督の『100万回のステップ』はタップダンサーの視点から見たイスタンブールの社会抗議運動を描いている。

軽快な足音を立てながら路上でステップを踏む女性のタップダンサー。どんなにつまらない日常だって、街に流れる音楽とリズムは、思わず人々を楽しくさせて しまう魔法がある。政府に抗議するデモ隊のシュプレヒコールでさえリズミカルに聞こえてくる。そんなデモ行進に向けて、警官隊が催涙ガス弾を打ち込む。ダ ンサーは戦う人々を目にし、彼女のタップの音は、彼らの行動と連動するかのように力強く鳴り響き続ける。

この映画を見ていると、世の中のあらゆるものが躍動しているかのように感じられるから不思議だ。皿を叩く音、ペットボトルを叩く音、建物を解体するハンマーの音さえがリズムであり、音楽なのだ。この作品はグリーンイメージ国際環境映像祭で審査員特別賞を受賞した。


(2016年3月25日午前11時15分、日比谷図書文化館、グリーンイメージ国際環境映像祭)(矢澤利弘)