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開催中の広島国際映画祭2016では12日、同映画祭と連携関係にあるメキシコ最大級の映画祭であるグアナファト国際映画祭についての現地報告会が開催され、今年のグアナファト映画祭に参加した広島フィルムコミッションの西崎智子さんが現地の状況などについてレポートした。

今年で19回目のグアナファト映画祭には世界61カ国から長短編355本以上が上映され、特に今回のスポットライト国となった日本映画は約70本が上映された。グアナファト州と広島県とは2014年に友好提携を結んでおり、2015年10月にはグアナファト映画祭の事務局長サラ・ホック氏から広島国際映画祭との連携の呼びかけを受けていた。

グアナファト映画祭はサン・ミゲル・デ・アジェンデ市(会期前半に開催)とグアナファト市(同後半に開催)という80キロ離れた二つの都市で10日間にわたり開催されている。

サン・ミゲル・デ・アジェンデは18世紀に手工業で発展した都市で、映画祭事務局はFabrica la Auroraという旧紡績工場のなかにある。今年は町の中心にある広場で日本映画の「あん」の野外上映が行われた。また、河瀬直美監督の短編映画や濱口竜介監督、桃井かおり監督作品も上映された。

映画祭の後半が開催されるグアナファトには、レッドカーペットが用意されているフワレス劇場、映画セミナーなども行われるテアトルプリンシパル、野外上映などが開催されるグアナファト大学などの施設がある。

また、グアナファトは銀鉱山で栄えた都市であり、町中にトンネルがあることから、トンネル内で映画を上映するというイベントが恒例となっている。もっとも、今年はスコールで大雨が降り出し、大量の雨水がトンネル内に浸水し、途中で上映(上映されたのは塚本晋也監督の「鉄男」)が打ち切りになるというハプニングがあったという。

今年の広島国際映画祭では
グアナファト国際映画祭での受賞作が披露された。今後の連携強化が期待される。


(2016年11月12日午前10時、NTTクレドホール、広島国際映画祭)(矢澤利弘)