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広島国際映画祭では12日午後6時から田中渉監督のアニメーション映画『あの夏のライオン』が上映され、上映後には質疑応答が行われた。

この作品は広島への原爆投下時、12人のアメリカ人が広島にいたという事実をモチーフにしている。敵国人であるアメリカ人捕虜に対しても広島の人たちが優しく接していたというエピソードから話を広げて制作した。

田中監督は「ライオンは百獣の王と呼ばれているが無駄な殺生はしない。百獣の王であるライオンを出すことに意味があると考えた」と語る。田中監督は何枚ものストーリーボードを描き、独白風にして物語を構築していった。事実をモチーフにしているが、映画のストーリー自体はフィクションだ。田中監督は「どこまでエンターテインメントに踏み込んでいいのか」という点で悩んだと心情を吐露。まだ、劇場公開などは決まっていないが、「いつかは配給につなげていきたい」と意気込む。


(2016年11月12日午後6時、NTTクレドホール、広島国際映画祭)(矢澤利弘)