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日本唯一の環境をテーマとした国際映画祭である「第4回グリーンイメージ国際環境映像祭」が3月3日(金)から5日(日)まで、東京の日比谷図書文化館コンベンションホールで開かれる。キネマ旬報ベストテン文化映画部門で第1位に選ばれた『ふたりの桃源郷』など15本を上映、上映後には監督らによるトークが行われる。

上映されるのは、海をテーマにした『海−消えたプラスチックの謎(仮題)』、『生きる 伝える“水俣の子”の60年』、『ロングイェールビーン 極北の街(仮題)』、『 とけてゆくスイス 氷河×光×地球の未来』、福島の暮らしを描いた『ナオトひとりっきり』と『ハーフライフ・イン・フクシマ(仮題)』、山の暮らしを綴った『林こずえの業』、『ふたりの桃源郷』、『風の波紋』、野生生物の生きる場所を追った『天王寺おばあちゃんゾウ 春子 最後の夏』、『無人の国境線がもたらしたもの−再生された自然(仮題)』、『被曝の森 原発事故5年目の記録』、異文化の暮らしと環境を扱った『天気予報(仮題)』、『エコポリス(仮題)』、『ブロック(仮題)』の15作品。

5日には特別プログラムとして、間伐材を使った森と共存する建物づくり「板倉建築」について、日本古来の建築技法に詳しい安藤邦廣筑波大学名誉教授をゲストに招き、森林資源を生かす建築への取り組みについて紹介する。

参加費は1日券が1500円(学生1000円)、3日間通し券が3000円、中学生以下は無料。事前予約不要。上映日程は、3月3日(金)が午前11時45分から午後9時45分まで、3月4日(土)が午前11時から午後6時50分、5日(日) は午前11時から午後4時45分まで。


上映プログラム
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◆3月3日(金)11:45 - 21:45 [開場 11:30]
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11:45 ……………………………………………………………………………………

天気予報(仮題)
[英題:The Weather Forecast]
http://green-image.jp/films/weather-forecast/

明日の天気を知るのは簡単だが、その天気予報は誰がどうやって作っているのか?圧倒的な映像美で綴られる極北の気象観測の最前線。

ロシア / 2016 / プロデューサー:Sergei BRAGIN / 監督:Ivan TVERDOVSKY
/ 制作:OOO Production Center "KINOFEST" / 63分 / 英語(日本語字幕)


12:50 ……………………………………………………………………………………

林こずえの業
http://green-image.jp/films/hayashikozue/

新米林業作業員である林こずえの1日が今日も始まる。徳島県山間部を舞台に、重機を駆使した近代林業の現状をドキュメンタリータッチで描いた作品。自然を讃えるとともに、山で生きる人々への敬意を込めた人間讃歌。

日本 / 2016 / プロデューサー・監督:蔦 哲一朗
/ 制作:一般社団法人ニコニコフィルム / 30分 / 日本語(英語字幕)

●上映後トーク:蔦 哲一朗さん(『林こずえの業』監督)


13:55 ……………………………………………………………………………………

海−消えたプラスチックの謎(仮題)
[英題:Oceans: The Mystery of the Missing Plastic]
http://green-image.jp/films/mystery-of-the-missing-plastic/

世界の海洋に浮かぶプラスチックの99%は行方不明。マイクロプラスチックの捜索とその影響調査に乗り出した各地の科学者たちの最新研究を追う。

フランス / 2016 / プロデューサー:Cecile de La GARANDERI / 監督:Vincent PERAZIO
/ 制作:Via Decouvertes / 53分 / 英語(日本語字幕)


14:50 ……………………………………………………………………………………

生きる 伝える "水俣の子"の60年
http://green-image.jp/films/ikiru-tsutaeru/

かつて「魚湧く海」と呼ばれた豊かな海で発生した水俣病。チッソがプラスチックを作る過程で出たメチル水銀が海を汚染し、その海でとれた魚を食べた人々に病気が広がった。水俣病公式確認から60年、病を背負い生き抜いてきた「水俣の子」が私たちに伝えるものとは。

日本 / 2016 / プロデューサー:大木 真美 / 監督:東 美希
/ 制作:熊本県民テレビ / 46分 / 日本語

●上映後トーク:東 美希さん(『生きる 伝える "水俣の子"の60年』監督)


16:05 ……………………………………………………………………………………

ロングイェールビーン 極北の街(仮題)
[英題:Longyearbyen, a Bipolar City]
http://green-image.jp/films/longyearbyen/

北極圏スヴァールバル諸島に位置するノルウェーの都市ロングイェールビーンは、100年前から石炭採取が経済の中心である。気候変動の影響を受けながら、石炭の生産と消費を続ける矛盾を抱えたこの極北の地のいまを伝える。

フランス / 2016 / プロデューサー:Nina ARDOIN / 監督:Manuel DEILLER
/ 制作:Artcam Production / 69分 / 英語、フランス語(日本語字幕)


17:15 ……………………………………………………………………………………

とけてゆくスイス 氷河×光×地球の未来
http://green-image.jp/films/melting-switzerland/

気候変動の影響で危機に瀕する地球の氷河。最新研究ではスイスアルプスの氷河が、2100年には消滅するという予測も出ている。グリーンランド、パタゴニア、スイス、世界各地の氷河を研究者とともに追い、温暖化に抗する最新の科学技術を探る。

日本 / 2016 / プロデューサー・監督:濱中 貴満
/ 制作:HTB北海道テレビ放送 / 48分 / 日本語

●上映後トーク:濱中 貴満さん(『とけてゆくスイス 氷河×光×地球の未来』監督)


18:35 ……………………………………………………………………………………

ナオトひとりっきり
http://green-image.jp/films/alone-in-fukushima/

原発事故で全町避難になった町に動物たちと残り、1人で戦い続ける男・ナオトの1年を追ったドキュメンタリー。
放射能汚染されても続くいのちを見つめた作品。

日本 / 2015 / プロデューサー・監督:中村 真夕
/ 制作:オンファロス ピクチャーズ / 98分 / 日本語


20:15 ……………………………………………………………………………………

ハーフライフ・イン・フクシマ(仮題)
[英題:Half-Life in Fukushima]
http://green-image.jp/films/half-life-in-fukushima/

原発事故の後、避難地域となった故郷の町で1人生活を営むナオト。誰もいないシュールリアルな町の風景、
荒廃と廃墟の中で確固とした生命の痕跡を作品は映し出す。

スイス、フランス / 2016
/ プロデューサー:Christian LELONG, Mark OLEXA, Francesca SCALISI
/ 監督:Francesca SCALISI, Mark OLEXA / 制作: / 60分 / 日本語、英語

●上映後トーク:
 中村 真夕さん(『ナオトひとりっきり』監督 )
 Francesca SCALISIさん・Mark OLEXAさん(『ハーフライフ・イン・フクシマ』監督)


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◆ 3月4日(土)11:00 - 18:50 [会場 10:45]
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11:00 ……………………………………………………………………………………

天王寺おばあちゃんゾウ 春子 最後の夏
http://green-image.jp/films/life-and-journey-of-haruko/

1950年まだ戦争の爪痕が残る中、タイから大阪の天王寺動物園に来園したアジアゾウ・春子は熱烈な歓迎を受け、以来、大阪の人々に愛され続けた。老いと闘いながら、最後の最後までお客さんの前に立ち続けた春子。最後の時までカメラはまわり続けた。

日本 / 2015 / プロデューサー・監督:人見 剛史
/ 制作:テレビ大阪 / 99分 / 日本語

●上映後トーク:人見 剛史さん(『天王寺おばあちゃんゾウ春子 最後の夏』監督)


13:40 ……………………………………………………………………………………

無人の国境線がもたらしたもの―再生された自然(仮題)
[英題:Nature Reclaims the Border]
http://green-image.jp/films/nature-reclaims-the-border/

何十年もの間、有刺鉄線がドイツを分断し、東西に分かれた政治体制は、家族や友人を引き離し、境界線上の規制区域へは誰の侵入も許されなかったが、それは危機に瀕した動植物の避難所となった。ドイツ最長の緑の回廊となった、かつての無人地帯に息づく野生生物たちの鮮やかな姿を描く。

ドイツ / 2014 / プロデューサー・監督:Uwe MUELLER
/ 制作:Capricornum Film / 44分 / ドイツ語、英語(日本語字幕)


14:25 ……………………………………………………………………………………

被曝の森 原発事故5年目の記録
http://green-image.jp/films/radioactive-forest/

福島第一原発事故によって生じた広大な無人地帯。5年の歳月で世界にも類を見ない生態系の激変が起きている。四季の移ろいや帰還を模索する住民の姿を織り交ぜ、原発事故が生んだ“被曝の森”の5年目の知られざる姿を描く。

日本 / 2016 / プロデューサー:高山 仁、浅井 健博、矢島 敦視、池本 端、松本 浩一
/ 監督:苅田 章、藤松 翔太郎 / 制作:日本放送協会 / 58分 / 日本語

●上映後トーク:苅田 章さん・藤松 翔太郎さん(『被曝の森 原発事故5年目の記録』監督)


15:55 ……………………………………………………………………………………

エコポリス(仮題)
[英題:Ecopolis China]
http://green-image.jp/films/ecopolis/

農村に暮らす10億人の中国人が都市へ移住した時、地球は甚大な変化に見舞われると予測されている。その危機を救うべく都市の再開発を行おうとするフィンランドの教授と中国経済界の有力者。彼らの目指す対照的なユートピアとは。

フィンランド / 2013 / プロデューサー:Pertti VEIJALAINEN / 監督:Anna-Karin GRONROOS
/ 制作:Illume Ltd / 56分 / 英語、フィンランド語、中国語(日本語字幕)


17:00 ……………………………………………………………………………………

ふたりの桃源郷
http://green-image.jp/films/to-end-our-days-on-the-mountain/

「残りの人生は夫婦で、あの山で過ごそう」還暦を過ぎた時、思い出の山に戻り、第2の人生を生きる道を選んだ田中寅夫さん・フサコさん夫妻。畑でとれる季節の野菜、湧き水で沸かした風呂、窯で炊くご飯‥‥。かけがえのない2人の時間に、やがて「老い」が静かに訪れる。

日本 / 2016 / プロデューサー:久保 和成 / 監督:佐々木 聰
/ 制作:山口放送株式会社 / 87分 / 日本語

●上映後トーク:佐々木 聰さん(『ふたりの桃源郷』監督)


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◆ 3月5日(日)11:00 - 16:45 [会場 10:45]
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11:00 ……………………………………………………………………………………

ブロック
[英題:The Block]
http://green-image.jp/films/block/

キルギスタンの大草原の真ん中、ソビエト時代の取り残された建物の遺構が、遊牧民の日常生活にとって大切な場へ変化した。

スイス、キルギスタン / 2015 / プロデューサー・監督:Nadine BOLLER
/ 制作:Nadine BOLLER / 10分 / キルギス語(日本語・英語字幕)


11:10 ……………………………………………………………………………………

風の波紋
http://green-image.jp/films/dryads-in-a-snow-valley/

越後妻有の里山、雪深い村に都会から移り住んだ木暮さん夫婦、茅葺屋根の古民家を修復し、見よう見まねで米を作り暮らしてきた。ある春の朝、大きな地震が起き、木暮さんの家も全壊したが、彼は再建を決意する。

日本 / 2015 / プロデューサー:矢田部 吉彦、長倉 徳生 / 監督:小林 茂
/ 制作:カサマフィルム / 99分 / 日本語

●上映後トーク:
 小林 茂さん (『風の波紋』監督)
 長倉 徳生さん(『風の波紋』プロデューサー)
 聞き手 大川原通之さん(日本住宅新聞編集長)


14:00 ……………………………………………………………………………………

特別プログラム:「森を活かす板倉建築−先人の知恵・元祖モバイルハウス」

 [講演] 安藤 邦廣さん(筑波大学名誉教授・里山建築研究所主宰)

 [パネリスト] 竹山 史朗さん(モンベル広報部本部長)
 [進行] 尾立 愛子(グリーンイメージ国際環境映像祭実行委員会事務局長)

 [上映]「板倉建築の校舎−森とつながる都会のなかの学びの場」
     日本 / 2017 / 14min / 日本語


15:30 表彰式 ……………………………………………………………………………


公式ウェブサイト
http://green-image.jp/filmfestivals/4th/


(矢澤利弘)