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 TSSテレビ新広島の生活情報番組「ひろしま満点ママ!!」の放送4000回を記念した「満点音楽祭」が24日、広島県の東広島市芸術文化ホールくららであった。

 番組のオープニング曲の作曲と演奏を手がけるバイオリン奏者のNAOTOが座長をつとめ、チェロの柏木広樹、ピアノの松本圭司、ギター・ボーカルの森本ケンタのほか、番組MCの棚田徹アナウンサー、古沢知子アナウンサーと番組の各コーナーを担当する満点ファミリーのメンバーが出演した。

 オープニングは、バイオリン、チェロ、ピアノのアコースティックスペシャルライブ。2008年から2009年の番組オープニング曲であるNAOTO作曲の「Brace up!」で、軽快に音楽祭が開幕した。

 続いて、NAOTOの「HIRUKAZE(ひるかぜ)」。NAOTOのライブでこの曲が演奏されると、バイオリンの動きに合わせて観客が手を左右に振るのが慣例となっている。説明がなくてもそのアクションを起こす観客が多く、番組のファンだけでなく、NAOTOのファンも多数会場に足を運んでいることが分かる。マイケル・ジャクソン「You Are Not Alone」は、バイオリンとピアノでしっとりと聴かせる演奏だった。

 東広島市芸術文化ホールくららは、東広島市西条駅のそばにあり、2016年4月に開館したばかりのホールだ。NAOTOや柏木は、ホールの響きの素晴らしさを何度も強調していた。「あまりに響きがよいので、音楽祭のリハーサルの合間の空き時間でも、舞台で楽器を演奏し続けていた」と柏木はホールを絶賛。NAOTOは、「プロの音楽家でもこのような優れた環境で演奏する機会はめったにない。くららを拠点に活動している東広島市くららジュニアオーケストラの子供たちは恵まれた環境で活動している。そしてこのような素晴らしいホールが地元にあることは、東広島市民にとっての誇りになるはず」とのトークを展開した。
 
 映画「冷静と情熱のあいだ」のテーマは、柏木が2001年に実際に映画に出演し演奏した曲で、チェロの低音の響きが哀愁を感じさせた。

 続いて、柏木広樹と光田健一の「水の街」が初演された。この曲は、東広島市芸術文化ホールくらら2017年度イメージソングになっている。

 東広島市西条は、酒造施設が密集し、吟醸酒の製造が盛んな地域だ。昨年、柏木は西条を訪れ、いくつかの蔵元を見学し、酒造りに使われる水を飲み、その美味しさと、蔵元ごとに水の味が異なることに感銘を受けた。そして、美味しくきれいな水が流れてくる周囲の山々を見て、思い浮かんだメロディーをもとに作った曲が「水の街」である。チェロとピアノの美しい調べが、西条の緑豊かな情景を彷彿とさせる。この曲は3月4日発売の柏木広樹・光田健一のCD「Partiendo」に収録される。

 前半最後は、バイオリン、チェロ、ピアノのトリオによるチック・コリアの「スペイン」。それぞれのソロの技が光るハイレベルな演奏を披露した。
 
 後半は番組出演者による合奏がメーンの構成。番組出演者が3つのグループに分かれ、リコーダーで「見上げてごらん夜の星を」、鍵盤ハーモニカで「A Whole New World」、オカリナで「あの素晴らしい愛をもう一度」を演奏した。棚田アナウンサーが指を震わせながらアルトリコーダーを演奏していたのは一生懸命さのあらわれだろう。

 続いて、バイオリン、チェロ、ピアノに、番組出演者の森本ケンタのギターとボーカルが加わり、森本ケンタの「Good Day」「車窓」「Julieta(ジュリエッタ)」が演奏された。最後は、バイオリン・チェロ・ピアノのトリオで、番組オープニング曲であるNAOTOの「Brand new days」と「Glowing」が演奏され、会場は盛り上がりをみせた。
 
 アンコールでは、4月から番組オープニング曲となるNAOTOの「Precious day」が披露された。出演者全員と観客も歌で参加し、2時間半の音楽祭は閉幕した。


(2月24日、東広島市芸術文化ホールくらら)(城所美智子)