
4日から東京都千代田区の東京国際フォーラムをメーン会場として開催されていた音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017」が6日、最終日を迎えた。国籍も所属も別々の一流の音楽家が集まり、一度限りの室内楽を聴けるのもこの音楽祭ならではの楽しみだ。
6日には、バイオリンのオリビエ・シャルリエ、ビオラの豊嶋泰嗣、チェロのアレクサンドル・クニャーゼフ、ピアノのアレクセイ・ボロディンによる「ジプシー・ロンド」をテーマにした演奏があった。
1曲目はハイドンの「ピアノ三重奏曲25番」。通称「ジプシー・ロンド」と言われる第3楽章はハンガリーの民族舞踊「チャールダーシュ」を想わせるロンドで、バイオリン、チェロ、ピアノのかけあいが心地よい。
2曲目はブラームスの「ピアノ四重奏曲第1番」。バイオリン、ビオラ、チェロ、ピアノの演奏。「ジプシー風ロンド」の第4楽章は弦楽器のピチカートが小気味よく、ピアノのタッチも軽やかで、哀愁を帯びた旋律が駆け抜けていく印象だ。
アンコールでは、もう一度ブラームスの「ピアノ四重奏曲第1番」の第4楽章を熱演し、会場からの拍手は長い間続いた。
オリビエ・シャルリエ:バイオリン。フランス国立管、パリ管、ロンドン・フィル等と共演。パリ国立音楽院教授
豊嶋泰嗣:ビオラ。新日本フィル・ソロ・コンサートマスター、兵庫芸術文化センター管弦楽団コンサートマスター、九州交響楽団桂冠コンサートマスター。
アレクサンドル・クニャーゼフ:チェロ。現代ロシアを代表するチェロ奏者。ロンドン・フィル、バイエルン放送響等と共演。
アレクセイ・ボロディン:ピアノ。レニングラード生まれ。ロンドン響、BBC響、N響等と共演。
(2017年5月6日、東京国際フォーラム、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017)(城所美智子)