酒蔵などで音楽をライブ演奏するひがしひろしま音楽祭が10日と11 日、広島県東広島市の西条であった。男性ソプラノ歌手の岡本知高や地元の音楽グループなどが東広島芸術文化ホールくららや西条駅周辺にある日本酒の酒蔵に設営されたステージで演奏を披露した。
この音楽祭は東広島市の地域活性化を目的とするもので今回で11回目。西条の地場産業である日本酒製造のシンボルともいえる酒蔵の中で音楽を演奏するのが特徴だ。複合型文化施設の東広島芸術文化ホールくらら以外は、酒蔵や観光案内所といった音楽専用施設ではない場所で音楽ライブが行われる景観活用型イベントといえる。
西条酒蔵通り観光案内所(くぐり門)の2階ではアコースティックギターやピアノ、ハーモニカといったアコースティックな楽器を中心とした「くぐり門スマイルハートミュージック東広島音楽祭アコースティックライブ」があった。
観光案内所の正面
階段を上がると会場が設営されている
福美人酒造恵比寿蔵では「酒蔵アンサンブル」と題して、懐かしの名曲中心としてアンサンブルグループやアカペラグループなどが出演した。酒蔵内にステージが作られ、レトロな雰囲気と曲調がマッチした粋な企画だった。
会場となった福美人酒造恵比寿蔵の外観
賀茂鶴一号蔵ではジャズを中心としたライブ「酒蔵ジャズ」があった。観客は日本酒やビール、おつまみなどを飲食しながら広島大学ジャズ研究会、ラジオレベルデ、西条ジャズ・ファンク・マスターズ、安芸楽団・ジャズ・ユニットといった地元ミュージシャンたちの演奏を楽しんでいた。
うまい酒と心地よい音楽を酒蔵の中で楽しむことができるのが、このひがしひろしま音楽祭である。この組み合わせは西条でなければ成立しない。さらなるパワーアップを期待したいイベントだ。
(2017年6月 10日、東広島市西条、東広島音楽祭)(矢澤利弘)