米村でんじろうサイエンスショーが5日、広島県廿日市市のはつかいち文化ホールさくらぴあであった。1日2回の公演だったが、両公演ともチケットは事前に売り切れ。子供たちはエンターテインメントを取り入れた科学実験に大喜びの様子だった。
細長い風船を客席に飛ばすアトラクションから始まり、米村でんじろうさんがさっそうとステージに登場。ブーメランの飛行実験からショーはスタートした。厚紙をハサミで切り取り、細長い紙を3枚作る。組み合わせてホチキスで留め、Yの字にする。羽を曲げてプロペラ状にするとペーパーブーメランの出来上がりだ。作り方のポイントは、ブーメランはプロペラであり、羽を曲げてプロペラにすると投げた本人のところに戻ってくるという。
「ブーメランは強く投げても遠くには飛ばない。でも工夫をすると遠くへ飛ばせる」と米村さん。そこで、ブーメランの羽の外周にビニールテープを巻きつけて重りをつけ、米村さんが客席に向かってブーメランを投げる。ブーメランが客席上空をゆっくりと旋回し、米村さんの手許に戻ってくると、会場は拍手で包まれた。
2番目は空気砲実験。段ボールで密閉した箱を作り、その1面だけに大きな丸い穴を開ける。箱を叩くと、穴から空気の波動が穴を向けた相手に伝わる。ステージ上に大きな段ボールで作られた空気砲が用意され、空気の振動が見えるようにスモークがたかれた。箱を叩くと、ライトに照らされたドーナツ状の煙の輪が客席の上空をゆっくりと上っていく。段ボールの穴を四角く変えると、四角い形をした煙が発射された。
2つの実験が終わり、海賊に扮した出演者2人による寸劇が始まった。風船に塗ると破裂するという謎の薬品を持った海賊が、薬品を風船に塗り、たくさんの風船を観客席に向かって投げると、子供たちは大騒ぎに。グレープフルーツやオレンジの皮に含まれたオレンジオイルはゴムを溶かす性質があり、発泡スチロールなども溶けるという。謎の薬品はオレンジオイルで、海賊たちはオレンジオイルを風船に塗ったのだった。
再び実験に戻り、今度は影絵の実験だ。光を当てる角度によって違うものに見えるいくつかの品物を答えさせるクイズなどで子供たちは盛り上がった。入場時に配布された赤と青のセロファンのついたメガネを使って影が立体的に飛び出すように見える実験では、尖ったものが飛び出してくると歓声が上がった。
最後の実験として、オレンジの大きな風船が登場。空気には重さがあるかどうかを問うクイズが出題された。その後、いくつもの大きな風船が客席に放出され、観客たちはところ狭しと、風船をバレーボールのようにパスしあった。米村さんは、ホームセンターで売っているマルチシートを張り合わせて大きな風船を作れば、家でも同じことができるとアドバイス。盛りだくさんの内容で80分間のショーはお開きとなった。
(2017年8月5日、はつかいち文化ホールさくらぴあ)(重光英一)