作曲家でバイオリニストのNAOTOのライブが11日と12日に東京都新宿区歌舞伎町のライブハウス、新宿BLAZEであった。「Southern Cross」「Before the Wind」「HIRUKAZE」などのポップな曲から「Sanctuary」のようなバラードまで、4月にリリースされたオリジナルアルバム「GIFT」に収録された曲を中心に、全19曲を熱演した。この原稿では、12日のライブのもようをお伝えする。
会場は満席、観客の8割近くは女性だ。オフィシャル・グッズのTシャツとタオルは開演前には売り切れ。熱心なファンが詰めかけている様子がわかる。ボーダーシャツとジーンズ姿のNAOTOが登場すると、観客は1曲目から全員総立ちで盛り上がった。大きな歓声があがったのは、曲の演奏中に、頭と足でブリッジをしながら、バイオリンを弾くというパフォーマンスをNAOTOが見せたとき。筆者はNAOTOのライブに来ること6回目にしてはじめてそれを見ることができた。
NAOTOはソロデビューして13年目。頭を軸にしてブリッジすること自体、44歳のNAOTOにとっては体力的にきついはずだが、そのエビぞりの態勢のままバイオリンの音程を外さずに弾くところに驚かされた。
そして、もうひとつ感動したのは、観客の対応。ブリッジパフォーマンスは、舞台の左端で1回、右端で1回行われたが、ブリッジが始まると、ステージに近いところにいる観客が一斉に中腰になってかがんだのだ。熱心なファンなら、むしろ背伸びして見たいと思う気持ちは山々だろう。かかんだのは後ろの方の席の観客にもブリッジがよく見えるようにとの配慮から。これがNAOTOファンの伝統文化なのだ。そのため、後ろから2番目の座席に立っていた筆者も、伝説のブリッジパフォーマンスを楽しむことができた。
ライブ「SUMMER GIFT」は14日と15日に、大阪の梅田CLUB QUATTROでも行われる。
(2017年8月12日、新宿BLAZE)(城所美智子)