デパート松屋銀座(東京都中央区)の8階イベントスクエアで「おさるのジョージ展」が開催中だ。21日まで。日本初公開となる約200点の絵本原画やスケッチを展示。原作者であるレイ夫妻の生い立ちや出会い、戦時下における制作の苦労についても紹介されている。鉛筆や色鉛筆の優しいタッチで可愛らしく描かれているジョージの原画を見て、来場した子供たちは「このお話知ってる」などと興味津々の様子だった。

アニメ「おさるのジョージ」は、現在、NHKのEテレで毎週土曜日午前8時45分から放映されている子どもに人気のアニメーション番組。好奇心いっぱいのこざるのジョージが様々な冒険やいたずらを繰り広げるストーリーだ。ジョージと一緒に暮らす黄色の帽子のおじさんや友達のビル、シェフのピスゲッティさん、ワイズマン博士など、たくさんの仲間にジョージは愛されている。

アニメ「おさるのジョージ」の原作は、絵本「ひとまねこざる」シリーズで、原作者はアメリカの絵本作家マーガレット・レイとハンス・レイ夫妻。1941年に「Curious George」というタイトルの絵本が刊行されたのがシリーズのはじまりだ。日本では1954年に発売されて以来、550万部を販売した。

レイ夫妻は2人とも動物好き。いろいろな動物を飼ったり、旅行先ではまず動物園を訪れたりしていた。動物たちを観察し、妻のマーガレットが物語を作り、夫のハンスが絵を描くという役割分担で絵本を制作した。パネル展示などによると、レイ夫妻はドイツ系のユダヤ人で、結婚当初はパリに住んでいたが、ドイツ軍の侵攻に危険を感じ、ドイツ軍がパリを占拠するわずか2日前に自転車でパリを脱出。それまでに描いたスケッチブックを大切に持ち、なんとかアメリカにたどり着き、絵本をシリーズ化するまでになったという。


(2017年8月13日、東京都中央区、松屋銀座イベントスクエア)(城所美智子)

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