自主制作のホラー映画の上映会「新宿ホラー映画祭り」が26日、東京・新宿区の新宿ハイジアV1 であった。4分17秒から20 分までのバラエティに富む8本の短編作品が上映された。
上映会は、MCの森崎元太さんと鈴愛さんによるオープニングトークから始まった。
続いて、最初に上映されたのは、古川達郎監督の『Do not!』。目がかゆくて目玉を洗いたくなった時や、賞味期限切れの食品にまつわる恐怖を描いた4分17秒の作品で、2009年に作られたもの。アイデアがユニークで、特殊効果もリアルだった。
古川達郎監督(中央)
2本目は成國英範監督の『俺、死んじゃった!?』。気が付いたら幽霊になっていた会社員が主役のコメディホラーで、寒い雨の中の夜間に、2日で撮った。主役のパントマイムのような動きが楽しい。
右から成國英範監督、主演の菊川浩二さん、音崎結映さん
3本目は岡本泰之監督の『II IVISII I I EXPERIMENT』。ある実験を題材にした4分32秒の作品で、監督がナレーションや音楽、撮影などすべてを担当した。アイデア一発でここまで面白くできるのかという見本のような作品。
4本目は、稲葉司監督の『かえりみち』。不慮の事故で亡くなった娘の幽霊と現世の父親を描いた20分の作品。娘を忘れることができない父親が切ない。
稲葉司監督(一番右)と出演者たち
休憩をはさんで、5本目は『蛇女募金のお知らせ』。映画というよりも、内藤慈監督が次回作への募金の呼びかけを行なったコーナーだった。
6本目は稲葉奇一朗監督の『ホームムービー』。両親を亡くし、実家に引っ越してきた女性の周囲で起こる異変を描いた作品で、今回の上映会で一番ホラーらしいホラー映画だった。
稲葉奇一朗監督(一番右)
7本目は木内一裕監督の『Call(コール)』。海辺の高級会員制倶楽部の屋敷に入っていく娘を延々と撮影した15分10秒の作品。冒頭と最後をドローンで、中心部分の11分をスタビライザーを使った手持ちカメラでワンカットで撮影した流麗な映像が印象的だ。沼津の御用邸を借り切り、ロケ撮影した。
木内一裕監督(中央)
最後の8本目は『咽ぶ家』。主演の古川奈苗さんがchasuke名義で監督している。方南町にあるアパートの一室に監禁される女性の恐怖を描いた作品。実際にお化け屋敷をやっている建物の部屋を使って撮影した。
舞台あいさつを交え、全8本を2時間半で上映し、上映会は終了した。
(2017年8月26日午後1時、東京都新宿区、新宿ハイジアV1)(矢澤利弘)