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3人の頭文字とユニット結成時の年齢から名付けられた雅楽の東儀秀樹、バイオリンの古澤巌、アコーディオンのcobaによるユニット、TFC55の4年目の全国ツアー「TFC55 LEVEL 検廚30日、東広島市の東広島芸術文化ホールくらら大ホールであった。全27公演の14回目。還暦を目前にしたベテラン3人の演奏を楽しみに来た観客で、会場は満席となった。3人はアンコールも含めて全18曲を熱演した。

雅楽器、バイオリン、アコーディオンを中心に、ピアノ、ギター、ベース、ドラムス、ジャンルの異なる楽器の新鮮な組み合わせで、音楽の無限の可能性を存分に表現したコンサートだった。

cobaが編曲したビートルズの名曲Get Back」の激しいロックで開幕。2曲目の「Go! Go! Go!」は3人がカーチェイスをしているイメージで東儀が作曲した。ひちりき、バイオリン、アコーディオンの見せ場が交互に出てくる楽しい曲だ。

3曲目は東儀のソロ。10歳になる息子を思って東儀が作曲した「君の夢を守りたい〜amabile〜」をしっとりとひちりきで聴かせた。4曲目は古澤のソロ。バッハの「無伴奏ソナタ第1番 adagio」をベースと掛け合いながら演奏し、続けてTOKYO FM「ジェットストリーム」のオープニング曲でもある「Mr.Lonely」を情感たっぷりに弾いた。5曲目はcobaのソロで自身のオリジナル曲「Wicked Apple」。アコーディオンの左手のボタンの動きに観客の目が釘付けになる。指先だけであの無数のボタンを正確に探り当てて凄い速さで押していく演奏手法は驚異的だ。6曲目は5年前にサーフィンを始めたという古澤とのデュオのためにcobaが書き下ろした「Summer splash」を二人で演奏した。7曲目はイギリス民謡の「スカボロー・フェア」をcobaが編曲し、3人で演奏した。ひちりきの響きが物悲しいメロディーによく合う。8曲目はcoba作曲、TFC55のテーマ曲「Love Hat Trick」。観客へのサービスで、この曲の間は写真を自由に撮影してよいこととなり、観客はスマホやカメラで撮影しながら、サンバのリズムに合わせて手拍子もするという、嬉しい忙しさだった。熱狂的な雰囲気で前半は終了した。

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後半の冒頭はあっと言わせる演出だった。前半のカジュアルな衣装と一変し、平安時代の貴族の衣装を身にまとい、クリスタルでライトが光る仕様の「笙(しょう)」を構えた東儀が客席のドアから登場すると、会場内からどよめきが起こった。笙をおごそかに吹きながら、東儀は通路を進み、ステージにあがった。すると、同じく、貴族の装束を身につけ、バイオリンをたずさえた古澤がしずしずと登場。会場からは笑いが起こった。古澤作曲で春日大社に奉納した曲「春日〜生命の芽生え」と「浜辺の歌」を二人で演奏した。

奈良時代から今日まで1300年間雅楽を世襲してきた家柄の東儀が装束について説明した。二人が着ていたのは、平安時代の貴族の普段着で、狩りのときにも着ていたので「狩衣(かりぎぬ)」と呼ばれるもの。狩衣の袖はとても重たく、バイオリンの弓さばきも難しそうに見えた。「大変弾きにくうございます」との古澤のコメントには爆笑が起こった。古澤巌のトレードマークと言えば、帽子、とりわけテンガロンハットのイメージがあるが、平安時代の貴族がかぶっていた烏帽子もよく似合っていた。

後半3曲目は、cobaのソロで、「She loves you」。coba作曲で、世界初アコーディオンによるEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)。cobaの歌と演奏に合わせて、観客も踊った。



4曲目は、東儀のソロで映画「ノッティングヒルの恋人」の主題歌「She」。恋の歌をひちりきで表現するのは新鮮だ。




曲目は古澤のソロで超絶技巧を披露、パガニーニの「Caprice No.5」。



6曲目は、東儀とcobaで、 coba作曲の「Flying high! 」。ひちりきがサックスのような響きでメロディーを奏でる。

最後の2曲は3人で演奏。 cobaの「Sailor men’s  song」、ピアソラの「リベルタンゴ」は、観客総立ちの盛り上がりをみせた。アンコールの2曲「to the moon」と「as time go by」で2時間半のコンサートは幕を閉じた。



(2017年9月30日、東広島市の東広島芸術文化ホールくらら大ホール)(城所美智子)




古澤巌
2016-04-20



東儀秀樹
2017-08-02



coba
2016-12-21



古澤巌,coba 東儀秀樹
2014-09-10