「ISOBE presents」によるコンサートプロジェクト、スプリング・コンサート「Variation.vol.1」が1日、広島市中区のパルテザスタイルオブウエディング・ドーアホールであった。指揮者の磯部省吾が主宰する若手音楽家育成を目指す「磯部塾」のメンバー14人が出演。司会は高尾六平が務めた。
ソプラノの寺本美奈子、バイオリンの尾崎奏子、ピアノの三好敬子によるトリオは、サン=サーンスのオペラ「サムソンとデリラ」より「あなたの声に心は開く」、ジャック・オッフェンバックのオペラ「ホフマン物語」より「ホフマンの舟歌」の2曲を演奏した。迫力あるソプラノの歌と、抑えた中でも美しく響くバイオリンで、愛の歌を情感豊かに表現した。
ソプラノの坂井里衣、フルートの松浦美音、ピアノの三好敬子が演奏したドニゼッティのオペラ「ランモルメールのルチア」より「狂乱の場」は、ルチア役の坂井が迫真の演技を見せ、観客から拍手喝采を浴びた。
結婚式の最中、望まない政略結婚相手の新郎を刺したルチア役の坂井は、血しぶきの飛んだウエディング姿で登場。狂乱の様相で高らかに歌い上げた。折しも、このコンサートの会場は、普段は結婚式の披露宴会場として使用されている。鬼気迫るウエディングドレス姿で歌う様子が印象深かった。
バイオリンや琴のソロの演奏の他に、三重奏の組み合わせがバラエティに富む新鮮なプログラムと、テレビでもお馴染みの高尾六平の見事なトークは、最初から最後まで観客を惹きつけた。
(H.クリング「象と蚊」:ピッコロ佐藤香菜、バスフルート久都内愛、ピアノ三好敬子)

(バッハ「無伴奏バイオリンのためのパルティ―タ」第1楽章から第4楽章:バイオリン高本英士)
(左:高尾六平、右:磯部省吾)
(2018年3月1日、広島市中区パルテザスタイルオブウエディング・ドーアホール)(城所美智子)
(2018年3月1日、広島市中区パルテザスタイルオブウエディング・ドーアホール)(城所美智子)