ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018で16日に上映されたリム・ジンスン監督の『パズル』は謎の美女に翻弄される男をめぐるサスペンスアクションである。
才能と財力に恵まれた男・ドジュン。しかし海外留学中の娘と、娘に付き添い移住した妻と離れて暮らすうち、妻に対する疑心暗鬼が深刻になっていた。ある夜、ドジュンは謎めいた女・セリョンを助ける。そして彼女の魅力に惑わされ、取り返しのつかない事件に足を踏み入れることになる。目覚めると殺人者になっていたドジュン。誰かから常に脅され続ける恐怖のなかで、複雑にもつれたパズルを解くために走り始める。
美女に翻弄される男が危機的状況に陥っていく。フリッツ・ラング監督の『飾窓の女』を彷彿させる展開だ。実際、映画全体の物語構造も『飾窓の女』に近い。
ところで、韓国ではVR(バーチャル・リアリティ)が盛んで、多彩なアトラクションやゲームが提供されている。本作には巧みにVRが取り入れられているのが新鮮だ。
(2018年3月16日、合宿の宿ひまわり体育館、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018)(矢澤利弘)