広島市の中心部を流れる太田川。太田川水系の分流のひとつに猿猴川がある。八剣神社は猿猴川に架かる牛田大橋の南詰に位置している。
ハ剣神社は2代目広島城主の福島正則公の治世にまつわる史跡である。福島正則公の時代、広島は洪水に悩まされ、ここの堤防が切れて容易には防ぎ止めることができなかった。

現在も川の堤防のすぐそばに民家がある
そうするうち、ついに人柱を入れて堰き止めようということになった。つまり、生きた人間をいけにえとして神に差し出そうというのである。しかし、それを知った福島正則公は「それは不憫な。自分に名案がある。」と言い、人柱をやめさせた。その代わり、秘蔵の名剣8本を箱に納め、地中深く埋め、洪水を堰き止めたのだという。
裏から見た八剣神社
その8本の剣の霊を祀って元和3年(1617年)に小祠が建てられた。以来、水の守護神として、北風に逆らい、八剣神社は川べりに鎮座している。