広島県民からの公募による美術展である新県美展が6月23日から広島県立美術館で始まる。低調だった映像系部門の応募作品は前年度に比べ約2倍の22作品に伸びた。出品料の引き下げや郵送での搬入も可とするなどの申し込み方法変更が奏功したとみられる。
広島県美術展は今年で70回の開催を数える。2013年には、新県美展として、映像系種目を新設し、絵画系、写真系の作品規格の見直しを行うなどして、より多くの県民が参加しやすいように刷新された。2018年度は、絵画系、彫塑系、工芸系、書系、写真系、デザイン系、映像系の7種目が公募された。合計1081点(前年度は1094点)の応募があり、入選作品は497点、うち56点が入賞作品として選出された。
前年度の映像系部門の応募総数はわずか12点。入賞は2作品にとどまっていた。前年までは広島県立美術館をはじめ、各地域の搬入場所へ作品の現物(DVDかブルーレイディスク)を持ち込んで受付を済ませなければならなかった。また、出品料も他の種目と同様1作品3千円。鳴り物入りで始まった映像系種目だったが、作品の応募数は開始以来低空飛行を続けていた。
今年度は映像系の出品料を1作品千円に引き下げたうえ、郵送での受付もできるように変更された。そうしたテコ入れもあり、応募数が回復し、歴代2位の作品数が集まった。もっとも、応募総数は22点、入選数は12点とその絶対数は決して多くない。他の種目では毎回出ている大賞は、映像系では第1回から第6回まで1つも出ていないのも課題として残る。
映像系の応募作品数と、入選作品数、入賞作品数の推移は次の通り。 入選数には入賞数を含む。
応募数 入選数 入賞数
2013年 第1回 15 7 4
2014年 第2回 27 13 5
2015年 第3回 18 10 4
2016年 第4回 16 9 4
2017年 第5回 12 6 2
2018年 第6回 22 12 3