戦前から戦後の広島・呉を舞台にした片渕須直監督のアニメ映画『この世界の片隅に』の野外上映会が18日、広島県広島市中区基町の中央公園西側の河岸緑地「基町ポップラ通り」であった。片渕監督と声優の尾身美詞さんによるトークショーの後、観客たちは河岸の緑地に張られた大きなスクリーンで映画を堪能した。
この上映会は、市民活動を行っているポップラ・ペアレンツ・クラブと広島市映像文化ライブラリーが主催。2007年から始まり、今回で11回目だ。会場は広島平和記念公園や広島城からほど近い水辺の緑地で、基町POP'La(ポップラ)通りと呼ばれる河川敷。ニセアカシアとポプラの木が印象的な風景をつくっている。
午後4時に開場した会場では、映画の上映に先立ち、様々なアトラクションが行われた。
映画のパネル展示コーナーでは、キャラクターたちのパネルのほか、映画制作で使用された資料が展示された。
午後5時半からは、夕凪コンサートと題して、バイオリンとピアノによる演奏が披露された。白井朝香さんがバイオリン、木原宏寿さんが被爆ピアノを奏でた。クラシックの名曲から井上陽水の「少年時代」まで、多彩な曲で構成されたミニコンサートだった。
午後6時45分からは、片渕監督と声優の尾身美詞さんによるトークショーが開催され、映画制作の舞台裏などが語られた。片渕監督と原作者のこうの史代さんは、この映画が完成したら、野外上映ができたらいいという希望を持っていた。そんな願いが今回の野外上映で叶ったという。