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アニメーション作家・クリヨウジ氏による短編作品の特集上映が24日、広島国際アニメーションフェスティバルの特別プログラムとして行われ、クリヨウジ氏が登壇した。クリ氏は今年90歳。この映画祭の国際名誉会長も務める。これまでに制作した約700本の中から1962年から1988年までの作品15本を選び、作品の上映に際して、自らコメントを加えた。

「いつから絵を描いていたのかと母にたずねると、『私のお腹にいるときから、雪舟みたいにネズミを描いていた』と答えたという。根っから絵を描くのが好きだったようだ。『人間動物園』(1962)では女性上位の男女間の話、『二匹のサンマ』(1968)ではミサイルで破壊される原子力発電所を登場させるなど、今日的問題を50年以上も前に扱ったその視点は鋭い。

もうこれ以上、作品を作ることもないだろうと語るクリ氏は、若いクリエイターたちの創作活動にエールを贈り、特集上映を終えた。


(2018年8月24日、JMSアステールプラザ)(重光英一)