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27日まで広島市のJMSアステールプラザで開催中の広島国際アニメーションフェスティバルは、アニメーション芸術を対象にした映画祭であり、アート志向が強いため、子どもが見るには少し難しいとの声もある。

ただ、この映画祭には、子どもたちを対象にした魅力的な企画も多々ある。26日はパラパラアニメーションコンテスト2017&2018年表彰式が行われた。パラパラアニメは、少しずつ動きを変えた絵を一枚ずつノートに書き、パラパラとめくることで絵が動いて見えるようにする技法だ。


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パラパラアニメーションコンテストの作品陳列

続いて、広島の子どもたちのワークショップ作品2017『キャット』の上映があった。これは広島の9人の子どもたちが2017年の夏休みに4日間で作り上げた作品。25日は9人のうち1人が登壇、舞台挨拶を行った。

次に、ASIFA(国際アニメーションフィルム協会)ワークショップグループ国際プロジェクト2017/2018の作品として「面白いお話」を統一テーマにした11本が上映された。このプロジェクトは、各地の難民キャンプや子どもたちの病院などで開催され、困難な状況下の子どもたちに楽しくクリエイティブな活動を体験してもらうことを目的に行われている。この日は、オランダ、ベルギー、アメリカ、スロバキア、オーストリアから集まった「面白いお話」のインストラクターたちが登壇した。

また、今年の映画祭のテーマ国であるエストニアの子どもたちのワークショップ作品も6本上映された。

映画祭期間中、アニメーション制作をパソコンで手軽に体験できるコーナー「コンピューター・アニメーション・メイキングワールド」が用意されている。アニメーションを学ぶ大学生などのスタッフが子どもたちに分かりやすくパソコンの操作方法やアニメーションの原理などを教えていた。

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キッズ・クリップの会場では、子どもたちを対象とした自由参加のワークショップや子ども向け映画の上映が行われた。

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キッズ・クリップの上映室前

26日は高畑勲監督の『平成狸合戦ぽんぽこ』の上映も行われた。広島国際アニメーションフェスティバルのプログラムの大部分は子ども向けとはいえないが、子どもが楽しめるような工夫は随所に見ることができる。


(2018年8月26日、JMSアステールプラザ)(重光英一)


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