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愛おしい人と旅をするのはなんて楽しいことなのだろう。それが幻影であったとしても。マーリス・マルティンソーンス監督のラトビア映画『ふたりの旅路』は、あることがきっかけで自分の殻に閉じこもってしまった女の心の旅路を描く。桃井かおり演じるケイコは着物ショーに参 ...

真の幸せとは何なのか。佐々木總監督の『ふたりの桃源郷』は、還暦を迎えた仲の良い夫婦が電気も水道も通っていない山で暮らす姿を記録したドキュメンタリーである。ローカルテレビ局の山口放送が25年に渡って撮影し、放送してきた記録映像を再編集し、87分の作品としてまと ...

第3回グリーンイメージ国際環境映像祭で25日に上映されたエファ・シュトッツ監督の『100万回のステップ』はタップダンサーの視点から見たイスタンブールの社会抗議運動を描いている。軽快な足音を立てながら路上でステップを踏む女性のタップダンサー。どんなにつまらない日 ...

ジェレミー・セイファート監督の『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』は、どんな食べ物を家族で選択していくべきなのかという問いに対する探索の物語である。3人の子どもを育てているセイファート監督の暮らすアメリカでは、遺伝子組み換え食品の表示義務が無い。世界各国 ...

金子雅和監督、松陰浩之さん 金子雅和監督の『復元師・諸川』では、30分程度の短編が2話連続して上映された。「第一話 神隠しの骨」では、遺跡から発掘された骨を復元し、独創的な学説を唱える考古学者の諸川が紹介される。かつて神隠しが相次いだと伝わる岩山にやってきた ...

 つい15年前まで、トルコではクルド語を話すことが禁じられていたのをご存知だろうか。クルド人は、イラン、イラク、トルコ、シリアに広がる山岳地帯にまたがって暮らす少数民族である。トルコには2000万人以上のクルド人が住んでいる。だが、クルド語の本を読んだり、クル ...

 いわゆる問題児というのはどんな学校にもいるのではないだろうか。そんな彼らを厄介者だとして学校から排除するべきか。それとも彼らのことを理解して守ってあげるべきなのか。エルネスト・ダラナス・セラーノ監督のキューバ映画『ビヘイビア』は、過酷な環境のもと、必 ...

 マフィアはイタリアでは、今日に至るまで根強い社会問題になっている。ジュリオ・マンフレドニア監督の『僕たちの大地』は、市民による半マフィア活動を軽快なタッチで描く。バックグラウンドの異なる様々な人々が集まり、プロジェクトを成し遂げようとする群像劇である。 ...

使い古された言葉だが、まさに手に汗を握るアクションシーンは圧巻である。下村勇二監督の29分間の短編映画『HERO』は、子供の頃に正義の味方になりたかった男の心の再生を描く。いじめを受け、自殺しようとビルの屋上に立つ女子高生。そうした姿を発見しながらも、助けるこ ...

田代尚也監督の『鼻目玉幸太郎の恋!』は、鼻の穴から目玉が出てくるという血筋に生まれた青年の恋の行方をギャグとパロディを取り混ぜて面白おかしく描く。映画の随所に見られる一発芸的なギャグはそれなりに面白く観客を沸かせる。意図的なものだろうが、全体的に演出は荒 ...

ぞっとするラストだが、それが人間の本音かもしれない。パク・ソンジン監督の11分の短編『ハードル』は、アルツハイマー病の母の面倒を見続けている娘の心の奥を描く。描いているのが心の奥であって、心の闇ではない。アルツハイマー病の身内を持つものにとって、毎日の生活 ...

政略結婚であったり、莫大な遺産を相続するためであったりと、誰とでもいいから、一定の期間内に相手を探して結婚しなければならない。そんなミッションを課せられた主人公が奮闘する主人公。最初はゲームの駒としか思っていなかった相手だったが、主人公は次第に真実の愛に ...

失業、離婚、親の介護。人生には良いことばかりではない。八つ当たりをして、逃げ出してしまいたい時もある。だけど、冷静になってもういちど、自分の原点を振り返ってみよう。中泉裕矢監督の『母との旅』は、ある日突然若返ってしまった母親と、生まれ故郷を巡る旅に出るさ ...

 確かに不思議で仕方がない。フェデリコ・フェリーニとはいったい何者だったのだろうか。エットレ・スコーラ監督の『フェデリコという不思議な存在』は、ドキュメンタリー風に撮られた巨匠フェデリコ・フェリーニ伝である。 フェリーニは、風刺雑誌「マルカウレリオ」に漫 ...

羊の鈴の音。風の駆け抜ける草原。ホセ・ルイス・ゲリン監督の『ベルタのモチーフ』は、セゴビアの農村で暮らす思春期の少女ベルタの日常をスケッチ風に描く。描かれていくのが極めて日常的な風景かというと、決してそうではない。中盤では、精神を病んだ男が短銃で自殺をす ...

 『初雪』は、前作『ある海辺の詩人 小さなヴェニスで』が日本で公開されたアンドレア・セグレ監督の第2作である。イタリア北部の山あいにある小村を舞台に、心に深い傷を負った少年と難民の心の交流を寄り添うようにじっくりと描き出す。 父を亡くして間もない少年ミケ ...

 『フェデリコという不思議な存在』は、 『道』や『8 1/2』などの4作品でアカデミー賞に輝き、映像の魔術師と呼ばれたフェデリコ・フェリーニ(1920-93)と親交があった巨匠スコーラが、没後20年を機にフェリーニの素顔に迫った作品である。 風刺雑誌の仕事場での二人の初め ...

 ずっと前に別れてしまった人だったとしても、思い出がある限り、その人は心のなかで生き続ける。 酒井麻衣監督の『棒つきキャンディ』は、少女マンガ家に転向しようとする女性少年マンガ家の思い出からの決別を描く。 少年マンガ家として成功している望月千歳は、新しく ...

軽やかなタッチに思わず微笑んでしまう。ボリス・バルネット監督の『帽子箱を持った少女』は、宝くじをめぐる騒動をコミカルに描く。帽子を作って生計を立てているナターシャは、帽子を納品する途中で知り合った貧しい学生イリヤに住む部屋を工面してあげるために彼と偽装結 ...

 中村研太郎監督の『フリーキッチン』はカニバリズムをテーマにした作品である。母親は人肉を料理して親子でそれを食べる。息子はごく日常的に肉料理を食べ続ける。そこには派手で大袈裟な演出は何もない。ルーチンワークのように料理の材料となる人間を確保していく母親。 ...

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