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カテゴリ:あ行

  売れないアーティストを応援しているファンの心境というものは複雑だ。そのアーティストがもっと売れて欲しいと願う一方、自分だけのものでいて欲しいと思っていたりもする。村山和也監督の『堕ちる』は、寂れた工場で働く織物職人の主人公、耕市がふとしたきっかけで地 ...

 海に漂うプラスチックはいったいどのような末路をたどるのだろうか。やがて分解されて自然に溶け込むのか、それともずっと海の底にたまり続けるのだろうか。ヴィンセント・ぺラジオ監督の『海−消えたプラスチックの謎(仮題)』は、科学者たちがプラスチックの行方を探索 ...

日本人にはやっぱり和食が一番。 VIN OOTA監督の『いただきます みそをつくるこどもたち』は、福岡市にある玄米和食の給食で知られる高取保育園の1年間を撮影したドキュメンタリーである。園児たちが自らの手で味噌を作り、日本の伝統食で育っていく。高取保育園は広末涼子 ...

広島国際映画祭では12日午後6時から田中渉監督のアニメーション映画『あの夏のライオン』が上映され、上映後には質疑応答が行われた。この作品は広島への原爆投下時、12人のアメリカ人が広島にいたという事実をモチーフにしている。敵国人であるアメリカ人捕虜に対しても広島 ...

広島国際映画祭2016では11日、ユベール・ヴィエル監督の『アルテミス、移り気なこころ』が上映され、上映後には質疑応答が行われた。同映画はブリィヴ・ヨーロッパ中編映画祭でフランスグランプリを獲得している59分間の作品。美術学校の女子学生で、孤独なアルテミスと奔放 ...

 この映画の男と女は常に走り回っている。東京国際映画祭のコンペティション部門で上映されたアダム・レイン監督の『浮き草たち』は、何かに行き詰まり、常に動かざるを得ない男と女の出会いを描く。 いわゆるボーイ・ミーツ・ガールものに分類されよう。若きシェフのダニ ...

 日常生活に不満を持った男たちが再起をかけて新しい事業に乗り出す。よくありそうなストーリーだが、タイトルの一部分にもなっている「ジュリア」がワンポイントになっている。 『俺たちとジュリア』は、喜劇俳優として活躍しているエドアルド・レオが監督した敗者たちの ...

 ジェンナーロ・ヌンツィアンテ監督の『オレはどこへ行く?』(公開題名『Viva!公務員』)は、終身雇用で気軽で安定している公務員という職を満喫していた40歳間際の独身男ケッコが、リストラ目的の過酷な転勤辞令にもめげず、公務員という職にしがみつくうちに、新たな人生 ...

 ジュゼッペ・M・ガウディーノ監督の『あなたたちのために』は、テレビドラマの制作現場でプロンプターとして働く女性アンナの心の再生を描いている。主演のヴァレリア・ゴリーノは、この映画でヴェネチア映画祭の最優秀主演女優賞を受賞。ドキュメンタリー映画を数多く手が ...

ブランドン・ローパー監督の『A Film About Coffee』は、川上はコーヒー豆の栽培から川下は喫茶店で一杯のコーヒーがカップに注がれるまで、コーヒーの全過程を追ったドキュメンタリーである。人々が毎日のように飲んでいるコーヒーだが、この映画を見れば、実に手間がかけら ...

本橋成一監督の『アラヤシキの住人たち』は、田舎の共働学舎で共同生活している個性ある住民たちの日常生活を一年間に渡って記録したドキュメンタリーである。北アルプスの山裾にある長野県小谷村。谷間の山道を一時間半歩いた先にある「真木共働学舎」は、自由学園の教師だ ...

日本酒造りには高度な職人芸が要求される。そして日本酒造りは人間の思い通りにはならない。なにしろ相手にしなければならないのは麹菌や酵母菌なのだから。石井かほり監督の『一献の系譜』は、石川県能登半島の出身で、古来より日本酒を作り続けてきた技能集団の能登杜氏を ...

不法滞在者は目立ってはいけない。だから、インビジブルであることを強いられる。ローレンス・ファハルド監督の『インビジブル』は、90年代末頃の不法滞在フィリピン人たちの現実を描く。全ては本国の家族のために彼らは生きる。日本人男性と結婚したリンダ、不法滞在労働者 ...

原題のThe Blue Hourというのは、昼と夜が入れ替わる頃の空が蒼いあいまいな時間をいう。タイのアヌチャー・ブンヤワッタナ監督の『蒼ざめた時刻(とき)』は、実際にタイで起こった子供が親を殺した事件のニュースを元にしたホラータッチのドラマだ。この映画は、見る者の自 ...

 才能がありながら、不遇な立場に置かれている人間が、本来あるべきポジションに就こうと努力するというストーリーラインのドラマは少なくない。リッカルド・ミラーニ監督の『生きていてすみません!』(日本公開題『これが私の人生設計』)もそんな映画の一本であり、男性 ...

久保裕章監督の『うつろう』は、絵を教える35歳の女性と絵を教わる男子中学生との恋愛を描く。年上の女性と少年の恋愛といっても、イタリア映画の『青い体験』やフランス映画の『ポケットの愛』のような少年の成長物語ではない。あるいは『おもいでの夏』のように甘酸っぱい ...

 大自然がもたらす心の解放への旅。ジョルジョ・ディリッティ監督の『いつか行くべき時が来る』は、アマゾンの雄大な大自然を舞台に、30歳の女性の心の動きを描く。ロードムービーといえば、ロードムービーだといえるだろうか。サンダンス映画祭コンペティション部門正式出 ...

ホセ・ルイス・ゲリン監督の『イニスフリー』(1990)はジョン・フォードが『静かなる男』を撮影したアイルランドのイニスフリーを巡るドキュメンタリーである。村人たちは撮影当時のようすを何度も振り返る。ジョン・ウェインはどんなことをしていただとか、ジョン・フォー ...

 広島市映像文化ライブラリーが29日に開催したディレクターズ・トークでは『バーバー吉野』や『かもめ食堂』などの作品のある映画監督の荻上直子さんがゲストで登壇した。 『かもめ食堂』は、小林聡美、片桐はいり、もたいまさこが出演するフィンランドの小さな食堂を舞台 ...

 いったい父はどのような人間だったのだろうか。相米慎二監督の『あ、春』は、死んだと聞かされていた父がひょっこりと現れたことから巻き起こる息子と父との奇妙な関係をゆっくりと描く。1999年のベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞している。 ふんわりかつほの ...

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