『サルヴォ』は、脚本家として活動してきた2人組、ファビオ・グラッサドニアとアントニオ・ピアッツァによるシチリアのパレルモが舞台のスリリングな長編初監督作である。 サルヴォは、頑強で情け容赦ない孤独なマフィアのヒットマンだった。ライバルのマフィアの家に侵入 ...
カテゴリ:映画紹介
【イタリア映画祭】『ミエーレ』、女優のヴァレリア・ゴリーノが監督に挑んだ長編第1作
『ミエーレ』は、女優として輝かしいキャリアを誇るヴァレリア・ゴリーノが監督に挑んだ長編第1作である。 学生を装うイレーネには、裏の顔があった。回復の見込みがなく、尊厳死を望む末期の病人に薬物を提供していたのだ。イレーネは、自殺幇助という非合法ビジネスに ...
【イタリア映画祭】『ようこそ、大統領!』、政治を笑いに昇華させた痛快なヒット作
『ようこそ、大統領!』は、政治という題材を巧みに笑いに昇華させた痛快なヒット作である。山奥の村で図書館員として働き、釣りを愛する中年のジュゼッペ・ガリバルディは、穏やかな生活を送っていた。その頃、ローマでは新しい大統領の選出が困難を極めていた。各政党が選 ...
【イタリア映画祭】『自由に乾杯』、豪華キャストが集うアイロニカルな政治ドラマ
『自由に乾杯』は、トニ・セルヴィッロ、ヴァレリオ・マスタンドレア、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキら豪華キャストが集うアイロニカルな政治ドラマである。 野党のリーダー、オリヴィエーリは気が滅入っていた。選挙が迫るが支持率は低迷し、このままでは負けるのは確 ...
【イタリア映画祭】『いつか行くべき時が来る』、アマゾンの大自然が人間を包み込むようなロードムービー
前作『やがて来たる者へ』で一躍脚光を浴びたジョルジョ・ディリッティ監督が、主演にジャスミン・トリンカを迎えたある種のロードムービーである。途方もない悲しみを抱えた30歳のアウグスタは、新たに生きる意味を求めてブラジルに向かう。母の友人である修道女のアマゾン ...
【映画紹介】『ラスト・プレゼント』監督最新作『最後の晩餐』、3月1月公開
『ラスト・プレゼント』のオ・ギファン監督最新作、中韓合作映画『最後の晩餐』(CJ Entertainment Japan 配給)が、3月1月(土)からシネスイッチ銀座、横浜ブルク13ほかにて全国順次公開される。 ...
『ホタルに恋して』、ホタルと台湾の美しい農村風景、地球環境映像祭で上映
アース・ビジョン 第20回地球環境映像祭 『ホタルに恋して』(Chang Po-chun(張 博釣)監督) 張博釣監督のドキュメンタリー映画『ホタルに恋して』は、ミズボタルの生態を主軸としつつ、台湾の農村の暮らしぶりや多様な生き物の生態を紹介していく。監督は子どもの頃から ...
ハリウッドで大ヒットした伝説のおバカ映画『ジャッカス3D』が5月6日から公開
震災の影響で公開が延期されていた『ジャッカス3D』が5月6日(金)からシネマズサンシャイン池袋などで全国公開されることが決まった。『Jackass』とは「バカ、アホ、間抜け、役立たず」を意味するアメリカのスラング。映画の元となったテレビ番組はアメリカの全米CS放送史 ...
松浦寿輝「映画と色彩」
松浦寿輝の論考「映画と色彩」では、映画の色は人工的な記号であると説く。例示されている作品は、「未知との遭遇」「緑色の部屋」「理由なき反抗」「暗くなるまで待って」「恋のエチュード」「東風」「キッスで殺せ」「ニューヨーク・ニューヨーク」「トパーズ」「ヘカテ」 ...
松浦寿輝「みずからの独身者たちによって裸にされた映画、さえも」
松浦寿輝の論考「みずからの独身者たちによって裸にされた映画、さえも」は「a 見えるもののイデオロギー」「b 見るもの/見られるものの離在」「c 見ることの戦略へ」の3つのパートで構成されている。 aでは、映画は反動的な装置であることが説明される。bでは、スクリー ...