[2018/92分]原題:Nome di donna監督:マルコ・トゥッリオ・ジョルダーナ Marco Tullio Giordana出演:クリスティアーナ・カポトンディ、ヴァレリオ・ビナスコマルコ・トゥッリオ・ジョルダーナ監督の『女性の名前』は、セクシャル・ハラスメントをテーマに、権利と尊厳を ...
カテゴリ:映画レビュー
『帰ってきたムッソリーニ』、イタリア映画祭
ルカ・ミニエーロ監督の『帰ってきたムッソリーニ』は、かつての独裁者ムッソリーニが現代のローマによみがえったことから巻き起こる騒動を描く。売れない映像作家が、復活したムッソリーニをカメラに偶然収めたことから、彼を主役にしたドキュメンタリー映画を制作しようと ...
『ルチアの恩寵』、イタリア映画祭
[2018/110分]原題:Troppa grazia監督:ジャンニ・ザナージ Gianni Zanasi出演:アルバ・ロルヴァケル、エリオ・ジェルマーノジャンニ・ザナージ監督の『ルチアの恩寵』は、信念を貫こうとする女性を不思議な展開と軽妙なタッチで描く。シングルマザーのルチアは、一人娘の ...
『私の娘よ』、イタリア映画祭
ラウラ・ビスプリ監督の『私の娘よ』は、育ての母と生みの母、少女の三角関係を通して母子の絆について問いかける。10歳の少女ヴィットリアは、サルデーニャ島の小さな村で彼女を愛するティーナと暮らしていた。ある日、ティーナとは正反対の気質の女性アンジェリカに出会い ...
『恐怖の報酬』、オリジナル完全版でよみがえるサスペンス映画の失われた傑作
初公開時には評論家から無視された映画が、時が経つにつれて、次第に好意的な評価に変わっていくことがある。時代が作品に追いついたのだろうか。それとも作品が理解されるまでに時間がかかったのだろうか。 画家フィンセント・ヴァン・ゴッホは、生前に売れた絵画がたっ ...
広島国際アニメーションフェスティバル、1日目
アニメーション映画の世界的な映画祭、広島国際アニメーションフェスティバルが23日、広島市中区のJMSアステールプラザで始まった。23日は片渕須直監督の『この世界の片隅に』のほか、エストニアのアニメーション映画、現代日本のアニメーションなどが上映された。午後5時半 ...
『彼女はひとり』、人間のありとあらゆる感情を揺さぶる60分の隙のない映画、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭
もしあなたが映画祭のプログラマーだったなら、この映画を自分の映画祭で上映したくて仕方がなくなるだろうし、もしあなたが配給・宣伝会社の人間だったなら、自分の会社で配給したくてうずうずすることだろう。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭国際コンペティションの1本として ...
ふたりの旅路ーEUフィルムデーズ
愛おしい人と旅をするのはなんて楽しいことなのだろう。それが幻影であったとしても。マーリス・マルティンソーンス監督のラトビア映画『ふたりの旅路』は、あることがきっかけで自分の殻に閉じこもってしまった女の心の旅路を描く。桃井かおり演じるケイコは着物ショーに参 ...
私と同じ顔の、おじさんーEUフィルムデーズ2018
父親と息子の確執は人類における永遠のテーマである。カトリン&アンドレス・マイミック夫婦監督のエストニア映画『私と同じ顔の、おじさん』は息子の視点から父親との確執と和解を描く。主人公フーゴーは音楽評論家で、離婚の経験からなかなか立ち直れないでいる。環境を整 ...
ゆうばり映画祭、『パズル』、謎の美女に翻弄される男のサスペンスアクション
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018で16日に上映されたリム・ジンスン監督の『パズル』は謎の美女に翻弄される男をめぐるサスペンスアクションである。才能と財力に恵まれた男・ドジュン。しかし海外留学中の娘と、娘に付き添い移住した妻と離れて暮らすうち、妻に対 ...
ゆうばり映画祭、『ナナちゃん、Oh mein Gottしよ♡』、
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018で上映された西本達哉監督の『ナナちゃん、Oh mein Gottしよ♡』は、どんなことをしてでも好きな子とセックスしたいと願う高校生の努力の物語である。3月。皆が上京する中、てつじは浪人することになった。高校の卒業式を迎える彼の ...
ゆうばり映画祭、『穴を掘る』、シャベルで黙々と穴を掘る男たちの躍動感を見よ
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018で16日に上映された矢川健吾監督の『穴を掘る』は、男たちがひたすら穴を掘る映画である。何のために男たちは穴を掘る勝負をしているのか。そもそも勝負をしているのだろうか。ルールはあるのだろうか。一切の説明不在のまま、映画 ...
ゆうばり映画祭、『EDあるいは(君がもたらす予期せぬ勃起)』、勃起をテーマに青春期の悩みを爽やかに描く
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018で16日に上映された西口洸監督の『EDあるいは(君がもたらす予期せぬ勃起)』は、母親の裸をみて勃起したことが原因でED(勃起不全)になってしまった少年の悩みと美少女転校生との短く淡い恋愛を描いた作品だ。この映画を作ったきっ ...
ゆうばり映画祭、『スロータージャップ』、変なことにフタをしすぎた日本に対するアンチテーゼ
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018で16日に上映された阪元裕吾監督の『スロータージャップ』は、見る人が見れば大傑作。だが多くの人々にとっては最低最悪のトラウマを残すような作品になるかもしれない。見る人を選ぶ映画といえる。映画の冒頭はこんな話から始まる ...
ゆうばり映画祭、『温泉しかばね芸者』、ノリのいい愛すべきホラーコメディ
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018で16日に上映された鳴瀬聖人監督の『温泉しかばね芸者』は、オマージュや悪ふざけがてんこ盛りのホラーコメディである。ジャンル映画についてのバカ映画といえる。冴えない脚本家・村井実紗は、新しい台本を提出しては、監督にダメ ...
ゆうばり映画祭、『キュクロプス』、悪いのは一体誰なのか。二転三転する復讐劇
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018で16日に上映された大庭功睦監督の『キュクロプス』は息もつかせぬようなスピード感のある復讐劇である。妻とその愛人を殺害した罪により、14年の服役を終えた男・篠原が、事件が起きた町に戻ってきた。彼の目的は、妻を殺して自分 ...
ゆうばり映画祭、『東京ノワール』、パズルのように入り組んだ構造が魅力的な暗黒社会の物語
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018で3月15日に上映されたヤマシタマサ監督の『東京ノワール』は、ヤクザを廃業しようとするある男の1日をパズルのように入り組んだ物語構造で描いた作品だ。東京の裏社会で20年生きてきた小さな金本組の若頭・鳴海。相棒の山城を失 ...
ゆうばり映画祭、『精霊カフェ』、
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018で16日に上映されたクァク・ジェヨン監督の『精霊カフェ』。ロマンチックな人生を夢見る新婦・文燕は、譚術とのみすぼらしい結婚式に耐えられず、ウエディングドレス姿で式場を飛び出す。絶望的な気持ちで胡同(北京の裏路地)をさ ...
『ナイス・ピープル』、難民はクズじゃない、ソマリア人チームが氷上スポーツで奮闘するドキュメンタリー、難民映画祭
試合で活躍すれば、難民はクズじゃないことを示すことができる。カリン・アヴ・クリントベルグとアンデシュ・ヘルゲソン監督の『ナイス・ピープル』は、内戦下のソマリアから逃れてスウェーデンの片田舎ボーレンゲで暮らす難民たちが伝統的な氷上スポーツ「バンディ」に挑む ...
『シリアに生まれて』、シリア難民の7人の子ども達に密着したドキュメンタリー、難民映画祭
紛争地を逃れて祖国を脱出したからといって、それで問題が解決するわけではない。難民にとっては、さらに厳しい道のりが控えている。エルナン・ジン監督の『シリアに生まれて』はシリアから逃れてヨーロッパにたどり着いた7人の子ども達の苛酷な運命に密着したドキュメンタリ ...