厳格な小さな世界で生きることを選択するのか、それとも俗だが広い世界で生きていくのか。マルコ・ダニエリ監督の『ジュリアの世界』は、エホバの証人というモチーフを使って、ある少女の心の再構築を描いた作品である。 エホバの証人の敬虔な信者である両親を持つ少女ジ ...
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『365日のシンプルライフ』、何も持たない生活を1年間続けて見えてきたもの、食と農の映画祭2016inひろしま
人間が生きていくためには、いったいどれぐらいのモノがあれば必要なのだろうか。ペトリ・ルーッカイネン監督・脚本・出演の『365日のシンプルライフ』は、フィンランド人の青年が、失恋をきったけに自分の持ち物を全て貸しコンテナに預け、1日1個のモノだけで1年間過ごした ...
『ふたりの桃源郷』、電気もない山あいで暮らす老夫婦の生活を25年に渡って撮影、食と農の映画祭inひろしま
真の幸せとは何なのか。佐々木總監督の『ふたりの桃源郷』は、還暦を迎えた仲の良い夫婦が電気も水道も通っていない山で暮らす姿を記録したドキュメンタリーである。ローカルテレビ局の山口放送が25年に渡って撮影し、放送してきた記録映像を再編集し、87分の作品としてまと ...
グリーンイメージ国際環境映像祭が開幕、初日は東日本大震災関連のドキュメンタリー3本を上映
我妻和樹監督(右)と山田徹監督(左)第3回グリーンイメージ国際環境映像祭が23日から25日まで、東京日比谷の日比谷図書文化館で開催されている。23日は広島の原爆と福島の原発事故を合わせて描いた「太陽が落ちた日」、東日本大震災の津波で壊滅した小さな漁村の震災前の3 ...
『A Touch of Hope』、ホスピタルアートの魅力を描くショートドキュメンタリー
病院の壁に絵を描いたホスピタルアート。そんなアートプロジェクトを扱った6分足らずのドキュメンタリー『A Touch of Hope』(部谷京子監督)の上映会とトークショーが8日午後6時15分から広島市の映画館、八丁座で開かれ、会場は満席となった。 病院という場所は機能的に設 ...
『千年の一滴 だししょうゆ』、「うまみ」が映像で伝わってくるようだ、食と農の映画祭
(C)プロダクション・エイシア/NHKもし、だしと醤油がなかったならば、和食というものは成立しないのではないだろうか。柴田昌平監督の『千年の一滴 だし しょうゆ』は、だしと醤油をその根底から追求したドキュメンタリーである。 本作は、だしにまつわる人々の営みを ...
『一献の系譜』、日本酒造りの奥深さを描き出すドキュメンタリー、食と農の映画祭
日本酒造りには高度な職人芸が要求される。そして日本酒造りは人間の思い通りにはならない。なにしろ相手にしなければならないのは麹菌や酵母菌なのだから。石井かほり監督の『一献の系譜』は、石川県能登半島の出身で、古来より日本酒を作り続けてきた技能集団の能登杜氏を ...
『WE ARE Perfume - WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』、彼女たちのプロフェッショナルぶりが元気をくれる、広島国際映画祭
広島国際映画祭では、21日午後3時45分からPerfumeの海外ツアーを追ったドキュメンタリー『WE ARE Perfume - WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』が上映され、上映後には佐渡岳利監督による質疑応答が行われた。 Perfumeはアクターズスクール広島出身の3人組。現在はワールドワイド ...
『オーシャンズ』:映像はきれいなのだが、どっちつかずの内容になってしまっているのが惜しまれる
大画面に映し出される映像を見て、海の中を泳いでいるような気分に浸りたかったり、ただぼーっと映像を眺めていたかったり、どこかの店で環境ビデオのように流しておいたり。そんな見方をするのがいいだろう。ジャック・ペランとジャック・クルーゾー監督の『オーシャンズ』 ...
『牛の鈴音』チリンチリンと鳴る鈴の音が老夫婦の絆を媒介する
全編を通じて聞こえてくる鈴の音。愚痴をこぼしてばかりいる婆さん。牛ばかりをかわいがる爺さん。イ・チュンニョル監督の韓国映画『牛の鈴音』は、老いぼれ牛を通じて、田舎で農業を営む老夫婦の間の絆を捉えたドキュメンタリーだ。農薬も機械も使わないと主張する夫。40年 ...
『キャピタリズム〜マネーは踊る〜』:いつの時代でも金貸しは非難される職業なのだがら、いまさら金融機関を非難しても目新しさはない。
いつの時代でも金貸しは非難される職業なのだがら、いまさら金融機関を非難しても目新しさはない。マイケル・ムーア監督の『キャピタリズム〜マネーは踊る〜』は資本主義を題材にしているのだが、だからといって社会主義擁護でもない。主に巨大金融機関を批判の対象としてい ...
『ビルマVJ』、もしビルマに行く機会があれば、常に空気を漂う粒子のように、ここかしこに悲しみを感じ取ることができるだろう−難民映画祭
(c) 2008 Magic Hour Films6日目となった難民映画祭。会場となったドイツ文化センターでは『ビルマVJ』と『ジェニンの心』が上映された。アンダース・オステルガルド監督のデンマーク映画『ビルマVJ』は2007年にミャンマー(ビルマ)で起きた反政府デモの映像を発信し続けた ...